あれからグレコはチビたちを連れて裏からいつもの縁の下に少しずつ移動してきた。はじめはびくびくしていた子猫たちも母猫の様子で僕が敵じゃないと分かると僕の足元にじゃれてくるようになった。グレコはちゃんと安全かどうか確認しながら引越してきたのだ。
でもあくまでもノラはノラ。家の中では飼えないので雨を防げる軒下にすのことダンボールでちいさな家を作ってあげた。
半年前、テラスに現れ始めた頃グレコはすばしっこくて目つきも鋭く例の三角口でカーッをやるからあまりかわいくなかった。対してシマ吉は顔が大きく目が丸くてのんびりしていて鳴声も小さく「にゃ」と遠慮がちだったりしたので僕らは断然シマ吉派だった。
ご飯のとき、二匹がかぶるとグレコは鼻でシマ吉を押し出すようにして食べさせない。意地悪しちゃだめ!コラッ!と軽くしかったりしながら二つお茶碗を並べて食べさせたりした。
が、最近分かったのはノラにはちゃんと縄張りがあってグレコはきちんとそれを守っていただけだったのだ。節操がないのはシマのほうだった。
シマがお茶碗におしっこしたとき、シマ吉こらぁ!って追っ払ったら、グレコがこっちをみてやっと気持ちを分かってくれたと今まで見せたことの無い明るい表情をした。シマのマーキング(おしっこ)は気の弱いオス猫の情けない抵抗だった。
今日、三匹が仲良くじゃれて遊んでいるところへぬーっとシマ吉が現れた。
グレコはとっさに防御しにいった。あとをチビたちが追いかける。
グレコに鼻でつつかれたがシマはごろんとねっころがって動じないふりをする。
もうグレコは相手をしないが、そのかわりチビは一生懸命足を突っ張り背中をふくらませて威嚇する。シマは面倒くさそうにたまにわっと起き上がってみせる。
そのたびチビはびっくりしてぴゅーと逃げ出す。
もしかしたらシマ吉が父親なんだろうか?(実際、一度シマがグレコを追っかけまわしてるのを見た)だとしたら本当にだらしない父親で、あのドラマの世界と同じだと思った。
僕が勝手につけたシマのフルネームは島尾シマ吉だったが泉谷シゲ吉にかえてやろうかと思う。
麻のシャツ
梅雨入りした奄美は月火と嵐のような雨。雷もごろごろぴかぴかと激しかった。
ところが昨日の休みはうって変わって快晴で今日も引き続き晴れ。
休みの日に晴れるのは嬉しいがやはり営業日に雨だとお客様の足が遠のく感じで暇を覚悟する。(基本的に忙しい事はないのですが)
今日は朝から荷物が届いたので検品して店に並べる。今の時期でも週に2,3回の納品があります。ずっと待っていた商品で僕が海の近くに店を移したときに一番並べたかったもの。どんなに年をとっても洋服を着ることに楽しみが無くなったらさびしい。人に見せるというよりも自分が着ていて楽しくなる気持ちのいい服を僕はずっと探していた。葉山のS+Cの店に初めていった時の感動は忘れない。そこに置いてある服たちは本当に明るく清潔で、さわやかな風を感じるような、そしてとても綺麗なものだった。自分に似合いそうとかではなく似合うようになりたいと思わせる服だった。海のそばで肩の力を抜き、のんびり自然体で暮らす。それは夢のようにずっと思い描いてきたことで、それが現実には叶わなくてもその服は着るだけでもその気分を充分満たしてくれそうだった。
海のそばで気持ちいい服を並べる。そしてまた誰かとその心地よさを分け合えるのが今の僕の仕事。
ただただ見守るばかり
5時半に目が覚めた。猫の鳴き声で。(すみません、また猫の話です)初めてチビクロを見つけたのが去年の10月。夜、子猫の鳴き声が聞こえたので家の周りを探してみたらクーラーの室外機の下に小さな黒猫がいた。目だけが黄色く光っていた。親猫からはぐれたのか、ちょっとおびえている様子だった。後ろからそっと抱きかかえたが一瞬のうちに飛び降りてぴょんぴょんと飛び跳ねるように逃げていった。
その日は夜中ずっと鳴いていて窓からのぞくと塀の上で空に向かって親をよんでいるみたいだった。何日かしてこの猫が親かもしれないと思ったのがグレコで、ある日チビクロがグレコの後をくっついて歩いているのをみて、あぁやっぱりそうなんだと安心した。
それからグレコはしょっちゅうテラスに現れるようになったがチビクロは見かけない。もう大きくなって別行動なんだと思っている。
姿ももうチビではないだろうし、たまに遠くのほうに黒い猫をみつけるからあれがそうなんだと思う。
グレコは最初の頃はいつも縁の下に隠れていてなかなか出てこなかった。たまに顔を出してもカーッと口を三角にあけて威嚇するし、エサもお茶碗からサッとくわえてもっていき離れたところで食べていた。
それを繰り返すうち、いつの間にか慣れてエサを堂々ともらいにくるようになった。体に触れるのも絶対に無理そうだったのに今では平気で抱っこされる。いなくなった三日間、僕らが想像してたのはきっと子供を産んでたんだろうという事。少しすっきり細くなったし何よりもおっぱいがでろーんと伸びて目立っていた。でも、だとしたら子猫は何処にいるんだろうといつも気になっていた。ちゃんと面倒みてるのだろうか、もしかしたら産みっぱなしで知らんふりしてるのではと疑ったりした。
そして昨日の夜、7時でもまだ明るいが閉店時間なのでシャッターを下ろそうと店の裏に支柱をとりに行ったとき、海に続く道の真ん中にグレコがいた。そばに小さく黒いのが2匹チョロチョロしてる。おっぱいを飲んでるみたいだ。グレコはまっすぐこっちをみてる。
僕はあわててテラスにあがり、台所にいる相棒を呼んだ。
二人でテラスからじっと見つめた。そんなとこで車が来たらあぶないよって心配してたらグレコがゆっくりと草むらのなかに子猫をおうように移動した。ちゃんと母親してたんだと安心して、それから
昨夜も雨の中、体を濡らし夜遅くにご飯を貰いに来た姿を思い出し、なんだかいじらしくなった。
今朝もなんでこんなに早く来たんだろうと眠い目をこすりながらご飯をあげる。
「お前、ちゃんと母親してるんだねぇ」となでているとふと何かの音を気にするように耳を動かしていた。僕も遠くで猫の鳴き声を聞いた気がした。ゆっくりと家の裏のほうに歩いていくのでついていくとカーッと威嚇された。いったん知らんふりをしてひっこみ、後からそーっと裏をのぞくといた!黒い子猫が2匹、室外機の下から出てきた。グレコが引っ張りだしておっぱいをあげている。感動して僕はまた釘付けになった。
そしてさっきから僕は家の裏とテラスを行ったり来たり。グレコも同じように行ったり来たり。たった今も。雨が降っては大丈夫か?と声をかけに行く。そのたびにグレコはそれ以上は近寄らないでと目で威嚇するのだが、またしばらくするとにゃあとテラスへ顔を出す。
僕が子猫を連れて行かないように警戒しているのかも。
霧の夜
午前中は少し蒸すような暑さだったのに山のほうは全体に白いモヤがかかりそこから吹いてくる風はひんやりと肌寒いくらいだった。そのモヤがどんどん近づいてきてとうとう夕方から店や自宅もすっぽりと霧に包まれた。マイナスイオンを浴びまくる感じ。夜ごみを出すために外に出たら遠くのほうの灯りが霧で滲んで空全体にオレンジ色が広がっていた。本当に細かいミストシャワーのなか時折ボタッと大きな雫が落ちてきた。霧の中、車のいない道路でハナグロがのんびりくつろいでいる。近づいてもまったくおびえずじっとこっちをみている。いきなり人間の言葉で話しかけられたとしても驚かないくらい半分夢の中のような幻想的なシーンだった。
風に乗る音
予報ではもう入梅している頃なのに今日は朝から高い所に細長く薄い雲が浮かぶだけの気持ちのいい青空。長袖のシャツを着てちょうどいいくらいの適当な湿度のさわやかさだ。まだクーラーも必要ない。店内のライトもお客様のいない時間は消すようにしてなるべく涼しく過ごす。日向にいるとちょっと暑そうだが店の横は木陰にいるようで気持ちいい。いつか木の床を張ってもっとくつろげる(お客様にも)場所にしたい。朝、看板を出すときに道路を渡るがちょうど丘の上になっていて遠くまで見渡せ、たまに真ん中に立ったときに右にも左にも車が一台も見えないときがある。商売をしているのだから通りはにぎやかなほうがいいのかもしれないが僕は反対に嬉しくなってしまう。本当に静かで聞こえてくるのは波の音(時にはごぉーっと鳴るような潮騒)と鳥のさえずりだけ。
同じ星で生きている
昨日はGW明けの最初の僕らのお休み。
GWも平日も忙しさ(暇さ)は変わりないのだがなんだかちょっと気が張っていたせいか終わって少しほっとした感じ。天気予報は月曜から木曜までずらっと晴れマークが並んでいる。そろそろ梅雨入りするのでその前に植物なども太陽をいっぱい浴びる感じだ。部屋の掃除の手伝いをして、スーパーまで食料品の買出しに付き合い、そしてそのまま公民館の図書室へ本を返しにいった。ちょうどお昼休みで借りることはできず残念。そして午後はぼさぼさに伸びた髪を切ってもらった。昔から髪を切ってもらった後はいつも頭がボーッとして放心状態になる。本当にリラックスできる。お客様を迎える立場としてちょっと忘れてた大事な事を思い出させてもらった。買い物だって気持ちよくできるのが一番だ。
夜ご飯を食べたあとテラスにでたら星がいっぱいでてた。すぐにシマ吉とグレコが一緒に遊びにやってきた。シマ吉の左の前足からは出血の跡があった。おとといもびっこをひきながら歩いていたし、首筋に大きな傷を負っていたこともある。グレコもいつも体中に葉っぱやら何かの種などをくっつけているし、本当に毎日がサバイバルなんだと思う。ご飯を食べて少しごろごろとのんびりしてる姿をみてずっとここにいたらいいのにと思うがまたいつものように道路を渡って草むらのなかに消えていった。
どこで寝てるのかしらないが今日は満天の星空が気持ちいいよねぇと、本当に僕の頭の中は最近猫のことばかり。
時間の概念
今日から5月。雲は多いが適当に穏やかな日差しが気持ちいい。
前にも書いたが一週間や一ヶ月のサイクルが異常に早く感じる。
忙しくてあっという間ではなく全くその逆なのだけどあまりに変化の無い日々を過ごしているからだろうか、毎日が凪ぎ状態で平和だ。自分のテリトリーから動かずにいるとそこだけ時が止まり、気付くといろんなことが過ぎ去った後で時間の経過に気が付く。本当に浦島太郎になったみたいに。
その時間の経過が一度だけ逆転したときがあった。
近所のノラのうち、シマ吉よりももっと頻繁にご飯を食べにくるグレコ(顔が異常に小さいわりに下半身はぽってりして色もグレーっぽいからイタチみたいでちょっと意地悪な感じだからぐれた猫でグレコと呼んでいる)がある日ぱたっと姿を見せなくなった。ほぼ毎日来てたのが急に来なくなるとものすごく心配なものでもしや交通事故かと近所を探してみたりした。
結局、四日後に何事もなく現れたのだが、そのときは空白の三日間が一ヶ月くらいに長く感じた。それだけ平和で暇ってことなんだけど・・・。
今日もやわらかな太陽の下で、あきらかに僕よりも行動範囲の広い猫と一緒にのんびりご飯を食べるGWの間のあきれるほど平和な一日。
吾輩はノラなのだ
ずっとごろごろと雷がなっていて、ぱらぱらと雨が落ちてきたかと思ったらカメラのフラッシュみたいな稲光に続いてドーンと凄い音がした。結構近い。どんどん暗くなって目覚めた時間よりも今の方が暗い。明け方じゃなくもう日が暮れそうな感じだ。空と海の境は白い波が動いてるからそこが海だと分かるけれどまったく同じ色で見分けがつかない。すっぽりと幕をかけられたみたいに湿った色になった。猫のシマ吉が雨から逃げるように縁の下を通って家の裏に隠れた。朝に見かけるのはめずらしい。夜は時々ご飯を食べにくるので、その度に頭をなでたり、話しかけたりするのだけど、本人(猫)は全くマイペースで全然媚びたりもせず、それどころか昨夜なんてご飯を食べた後にくるっとお尻を向けたかと思うとお茶碗に向かってピュッとおしっこをひっかけた。何か意味があるのだろうが、裏切られたようでちょっとショック。
時々、夏!
今日は旧暦の3月1日。奄美では明後日の19日(旧3/3)が海開きだそうだ。
あまりにもいい天気だったので写真を撮りまくった。
天気予報、昨日が晴れの予報だったのに雨になったし、あてにならないけれど明日は雨の確率80%。今日は貴重な一日だけの晴れの日になりそうだ。本当にこの時期の天気は一日でころころ変わる。
子供の頃から強く感じていたのは南国独特の夏の太陽のまぶしさ。奄美の夏の日差しは強過ぎてまともに目を開けられないからいつも目を細くしていた。学校の校庭やグラウンド、自転車での帰り道、その横を流れる川も後ろの濃い緑の山もみんな陽に照らされてまぶしかった。また家の窓から見る外の景色も光があちこちで反射していろんな色が生き生きと映り、庭の小さな池の水面が天井に作るゆらゆらした模様をを眺めながら昼寝をするのは至福の時間だった。野球やプール、友達と遊ぶのが楽しくて仕方なかったから宿題なんてやったためしがない。子供ながらにここで生まれて本当によかったと感謝しながらたくさんの夏を思いっきり遊んで過ごしてきた。だから最近お客さんに「また焼けてませんか?なんだかずっと黒いですよね~」と言われるとちょっとにんまりとしてしまう。
ずっと紹介してなかったので載せました。夏がぐっと近づいた今日のairyです。
光陰矢のごとし
最近お休みは天気が良い日が続いていたのに今週は予報も外れ、火曜も水曜もスカッと晴れてはくれなかった。それでも雨は降らなさそうだったので今度は奄美パークよりもっと先の運動公園まで歩いていくことにした。車では行ったことがあるが、歩いていくのは初めてでどのくらいの距離、時間がかかるかは分からない。車と同じ道はつまらないからとちょっと山の中に入ってみたら畑の中で迷い込んでしまった。来た道を戻り、また大きな道路にでる。もうすでに運動公園まで行く気力は無くなり、途中で見つけた無人販売のキャベツを買って帰ることにした。舗装された長い直線の道路が山から海まで続いていてその先の喜界島を眺めながらのんびり歩く。目の前をプロペラの飛行機が飛んでいった。空港の前の道路からそのまま海沿いを歩いていけばうちに着く。歩いているのは僕らだけですれ違うのはみんな車だ。くたくたになって家に着くと見慣れたテラスや横の駐車場がやたらと小さく見えた。夕方は録画したままたまっているビデオの中から「男たちの大和」を観た。長渕剛の歌のイメージが強くあまり劇場で観たいとは思ってなかったのだが、船の上の戦闘シーンは凄かった。戦争は今から60年前の話でも実は僕が生まれるたった17年前の話なのだ。子供の頃に祖父から聞かされても大昔の話のような気がしていたが、祖父にとっては本当についこないだの話だったんだと今頃になって気が付いた。人生は短い。親、子、孫と三世代(あるいは四世代)が一緒にいられるのは本当に貴重な時間で時代がずっとつながっている証であり、それぞれに重なる時間、共に生きている時代を大切にしなくてはと思う。
海の色まで曇る日
どんよりとした重たい雲に包まれて、窓の外はすべての色が薄められた水彩画のような景色。海の色も鉛のようなグレーだ。風も強く電線がビュービューと音を鳴らす。時折、電柱の上で火花がジッジツと散る音もする。朝は明るくなった頃に目が覚めるが大体が夢を見ていて、起きてすぐはその中身についていろいろと考える。夢だからちょっとありえないことが多いけれど、それでも夢をきっかけにいろんなことを思い出す。頭の中で何十年分かの時を一気に行ったり来たりするような感じだ。もし、僕も平均寿命まで生きられるならまだまだ半分を過ぎたとこなのに、もうおじいさんになってしまったような(昨日の夢は僕より若い父が出てきた)そんな人生を振り返るような思いばかりが湧いてくる。もしかして見た目が急に老けるのはこんなときなのかもしれない。年をとっても無理に若作りするつもりは無いので少しずつ自然に枯れていけばいいとずっと思っていたが、こんなことを書いていること自体弱気だ。それぐらい暦の上ではもうすっかり春のはずなのに心は今日の景色と同じでまだ冬のまんまだ。
近所の公園
昨日の嵐みたいな雨が嘘のような雲ひとつない青空。
近所なのにあまり行った事がなかった奄美パークへ行った。
ずっと勘違いしていたが、ここは毎回お金を払って入るのでなく、有料のゾーンは一部だけであとは時間内であれば自由に出入りできるのだった。一度みたらもういいやって思ってたのが間違いで、そのタダで上れる展望台からの素晴らしい景色を眺めながら、ここが昔の空港の跡地で自分の住む笠利町節田と同じ住所で、この高さに人が立つなんて昔の人(祖先)には想像付かなかっただろうと考えたりした。
奄美は本当に大きな島だけど、こんなに広い平地があるのは笠利ぐらいだろう。公共の施設としてもっといろんなことができそうなのにとも思ったが、誰もいない場所でのんびり昼寝できる個人的な贅沢も捨てがたい。
今朝の新聞で島尾ミホさんが亡くなったことを知る。
「死の棘」は長い時間をかけて読んだからミホさんがこの島で
僕らと同じ空気を吸い生きていらっしゃることでまだその物語は続いているような気がしていた。新聞にも書いてあったように天国で再会してるのだろうか。ご冥福をお祈りします。
いつもお世話になってます
やまない雨はない。けさは雲は多いものの久しぶりにお日様が顔をだした。ゆうべ土砂降りの雨の中、最後の仕上げに夢紅に行った。なんだかにぎやかな様子。今日は娘さんの紬ちゃんがお友達と一緒に卒業記念のマラソンをしてそれからそのまま打ち上げというか、お別れ会のようなことをやるのよって聞いていたのだった。ちょっとおじゃまなタイミングできてしまったかなと思った。荷物を降ろさないといけないので雨が小降りになるまで車の中でちょっと待つことにした。フロントガラス越しの雨の先にオレンジ色の灯りの窓が浮かんで見えてその中で紅さんが嬉しそうに料理を作っていた。隣に車が止まって降りてきた夢元さんに「何やってんの?」って不思議がられた。バツが悪そうにくっついて中に入った僕らを紅さんはその場のみなさんに紹介してくれて、美味しい料理までごちそうしてくれた。あたたかな空気に少し触れさせてもらった感じでとても嬉しかった。
写真展、今日からです。
風邪も気合で!
なんとなく停滞気味。
天気もずっと良くなく(天気のせいにしてはいけないが気がつくと日記も十日以上もさぼってしまっている。 反省。)風邪をひいてしまったせいで咳がでるとちょっと辛い。
お客様にうつすといけないので早めに治さなくっちゃと思いつつ、それでも病院に行くほどでもないようななんだか中途半端な具合だ。関節が痛くなったらやばいですよとこないだお客さんに言われたときはまさかインフルエンザではないだろうと思っていたから、今ちょっとひざや背中が痛くなってきたのは怖い。これもさっき重い荷物をもったからそのせいだと思い込むことにしている。
明後日から31日まで夢紅での写真展があるため明日は朝からその準備。
去年の夏に夢紅の庭で開催したナラニ・カナカオレ、シグゼーンファミリーの「カイハライ」ツアーの様子をカメラマンの矢幡英文氏が撮影したもので、僕は先月の出張の際に鎌倉の由比ヶ浜で一足先に見させてもらったが、僕の記憶の中に大切にしまいこんだ夢の断片がちゃんとそこに目に見える形として存在していてなんだかそれはすべてが浄化された神秘的な世界のような感じがした。また開催された同じ地で見るのはどんな感じなのか僕自身楽しみ。ぜひ一度見にいらして下さい。
虹
月曜からまた冬に戻ったような寒い日が続いている。
昨日は確定申告のために名瀬まで行く。
毎年のことだが税務署と市役所から届く封筒を見た瞬間から宿題をもらった子供のような気持ちになる。なるべく見えないようにクローゼットの奥において置くのだが、テレビのCMやPCでも確定申告の言葉をみるたびに億劫になる。
最初のうちはなるべく早く済ませてすっきりしていたが、ここ2,3年は大体今くらいまでじたばたしている。一日がかりで資料をまとめて最後の記入は税務署で確認しながらやっていく。
終わってしまえば簡単なものだが、やっぱり煩わしい。
でも職員の方はもっと大変そうだった。会場にはお年寄りも多くわからないことをひとつひとつきちんと丁寧に教えていた。
僕を担当したおじさん(失礼)も「ネットで提出できるのも知っているがやっぱり不安だからここに持ってきた。でも来年はネットでやれるかな」と言うと「ま、年に一度のことだから是非また寄ってください」と笑って言ってくれた。
家に帰ってから少し雲の隙間から晴れ間が出ていたので海まで散歩した。
こないだと同じ場所に虹が出てた。
また暖かな春がもうすぐやってくる。
花粉症
都会で暮らしてた頃はずっと花粉症に悩まされていた。
今の時期は毎日薬を飲んでいて、そのせいでいつも喉が渇き、頭は眠けでぼーっとしていた。奄美に来てからはピタッと治まりすっかり忘れていた(それでも、この時期、出張に行くとすぐにくしゃみの連発で鼻声になる)が、おとといから昨日にかけて風が強く、その影響で遠くから花粉が飛んできたのか、目が痒くくしゃみと鼻水にやられた。今朝も少し目が腫れ、頭痛もする。
これはもしかしたら昨日作った棚に塗ったペンキのせいかもしれないとも思ったが、花粉だとしたらやはりちょっとショックだ。
花粉症のないことが島の売りなのに。
紺碧
昨日の奄美は快晴で思わず「アオいなぁー!!」ってCMみたいに
叫びたくなるくらい海の色が綺麗な深いブルーだった。
思い切って自転車で夢紅まで行くことにした。
坂を上りきることができるかどうかちょっと不安だったがなんとか途中で降りずに頂上までいけた。
そこからの土浜、その先の立神(岩)、もっと先の喜界島まで見渡す風景はいつみても感動的。
車だと一瞬だが今回はゆっくりと味わえた。
途中で干からびたハブの死骸まで見つけた。
自転車で出かけたくなったのは天気のせいだけじゃなくて前の晩にお客様からいただいた山羊汁と生肉(生まれて初めていただいた)のおかげかもしれない。
飲むと体がカーッと熱くなってエネルギーが沸いてきた。本当に美味しかったです。
それから夕方には夕日に照らされた入道雲がちょうどスクリーンのようになり、空港あたりから喜界島のほうへ大きな虹が映し出された。これは肉眼で見るしかない。贅沢の極みです。
大切な時間
原宿で子供たちと待ち合わせをした。
美味しいものを食べたり、一緒に買い物を楽しんだりするつもりだったが、ただただ歩き回っただけで終わってしまった。
平日でお互い仕事や学校を終えたあとなので疲れもあったが、行き当たりばったりのデートのように、たびたび「どこに行くの?」って娘に聞かれて少々焦った。
原宿ならカフェも服屋もたくさんあるし、どこを回っても楽しいと思ったのだが、なんだか街の中で一人だけ浮いている感じで楽しめなかった。子供らが食べたいと思うもの、買いたいと思うもの、僕が食べさせたいと思うもの買ってあげたいと思うものが一致しない。僕の思惑は外れっぱなしで会えない時間を埋めるにはちょっとむずかしい場所の選択だった。
「やっぱり吉祥寺にすればよかったね」二人がいった。
いつもは家からバスで来れるから吉祥寺で会うことが多い。
吉祥寺はいつ行っても大きな変化のない街で適当ににぎやかで、それでいておだやかな田舎の空気も一緒に混ざりあっていて、僕らの歩調や気持ちを合わせるのにちょうどいいのかもしれない。子供たちもそれに気がついたみたいだ。
歩き疲れたが、都会の真ん中でふと、もうすぐ僕の背を追い越してしまいそうな息子や髪の毛が伸びて少し小さな子供の頃にもどったような気がした娘の後ろ姿をみながら僕は今の瞬間こうして一緒にいられるだけで本当に幸せで神様に感謝したんだ。
戻ってきました
朝早く羽田空港に向かう電車はいつものように満員だったが、屋根の上に落ちる雨音が耳に新鮮に聞こえた。
電車に乗っていて雨の音に気づくなんて事は覚えが無いから、田舎暮らしのおかげでそんな自然の音に敏感になったのかもしれない。
前に一度、軽くおなかが痛くなり我慢できずに途中下車してトイレに駆け込んだ経験があるので朝ご飯は飛行機のなかで食べる事にしている。雲の上は快晴で作り物の地球儀のようなはっきりした輪郭の太平洋沿岸が見えた。機内サービスのコーヒーをおかわりしておにぎりやパン、デザートにプリンまで食べた。ちょっとした遠足気分だ。
出張はマイルを使ったおともでマイルやバースデー割引、
バーゲンフェアなど安い料金をうまく使って行くようにしているが、この春から航空会社の料金の形態が変わり、バースデー割引は無くなる。
奄美の場合、代わりの先得割り引きではあまり安くはならないので年間の予算を考えると今までのように頻繁には出張に行けなくなるかもしれない。いや、僕らだけの問題でなくこれでますます奄美への観光の足も遠のいてしまう。
航空運賃についてはもっと本気で考えないといけない。
気軽に一人旅や夫婦、家族、友達とのグループ旅行、そして
島出身者の帰省などいつでも安い運賃の設定で島の出入りがもっと頻繁にできるようにしないと本当に閉ざされた島になってしまう。
僕も島で会いたい人はまだまだたくさんいるのに。
密かな楽しみ
出張のため、明日から三日間お休みします。
本日は午後5時半までの営業で、金曜は午後1時からOPENいたします。
いつもは忙しく映画を観る暇などないが今回はなんとかいけそうだ。どれがいいか劇場のHPで調べていたら観たいのがあった。
懐古趣味の僕はタイムスリップものに弱い。
『バックトゥザフューチャー』も大好きだし、以前同じホイチョイプロが作った『波の数だけ抱きしめて』もバイブルだ。
前回は1980年代頭が舞台だったが、今回は90年代初期のバブル全盛時代。リストを見ると音楽がいまいちつまらないがきっとまばたきできないぐらい画面に釘付けになるに違いない。