空に太陽がある限り

だんだん夜が明けるのが遅くなっている。それでも犬が起こすのはいつもと同じ時間で「まだ暗いよぉ~勘弁して~」と一応言ってみるが伝わるわけはなく、仕方がないので一緒にテラスに出る。星が綺麗で、うっすらと東の空はライラックに変化した。リードをつけると犬は喜んで海へ向かう。ちょっと怠けて僕は海まで下りずに岩の上に腰かけた。犬だけが自由に砂浜を走り回り、潮だまりの水の中に飛び込む。(入っちゃったけど怒らない?って振り向いて僕をみつめる)たまにくんくんとにおいを嗅いで砂の中からカニを掘り起こす。昇ってきた太陽は昨日は赤い玉だったが、今日はオレンジで、じっと見ていたら真っ白になった。
裸眼で太陽を見ては絶対にいけませんと皆既日食のパンフレットに書いてあったが、僕が見つめた太陽は月に隠れていなくても周りにくるくると回りながら輝くプラチナリングをはめていた。本当は毎日いろんな太陽見れるんだよって教えてあげたい。

残暑だから仕方ないざんしょ

涼しくなったなぁと思っていても日差しはきつく、風が止まると蒸し風呂状態。家の作りのせいもあるが、ずっと一日中太陽にあたっていて夜になっても部屋の中と外とでは温度がまるで違う。なかなかエアコンとさよならできない。ずっと日よけ(窓にカーテンのように幕)をするのに慣れてしまっているが、恰好悪い。エアコンで作られた木陰のひんやりとした偽のイメージではなくて、本当に夏でも窓を全開にして気持ちいいと感じられる店にしたいんだけどなぁ。

忘れちゃいけないのに

やっぱり昨日から季節が変わった。昨夜は暑かったからではなく何かタオルケットのようなものをかけたくなるくらいの涼しさを感じて夜中に目が覚めた。昨日の休みは久しぶりに名瀬に行き、子供のころから通っているおじさんのところで髪を切ってもらった。もう迷わず5分刈りで!と言える。名瀬に行くと僕らの暮らしは本当に遠くにあって、なんでわざわざあんなところで洋服やなんてと自分でも不思議に思う。行動範囲が狭いのは本当は自分なのだ。
知らない間に祖母の妹、僕の大事なタスおばさんが実家の近くに越してきていた。「カサリッチイヂ、マタホデタン、アナンナ?ハゲームカシヌ三蔵法師ヌシシュリ(笠利に行ってまた大きくなったんじゃないの?あらまぁ昔の三蔵法師みたいな格好だ)」と坊主頭の僕を下から見上げて笑って言った。オバが元気そうだったから、嬉しくて僕も頑張ってるよとちょっと胸を張ったからそんな風に見えたのかもしれない。会いたいと思っていてもなかなか会えずにいたので、実家の近くに来てくれて本当に嬉しい。子供の頃からずっとそばにいて母親と一緒に支えてくれた大事なおばさん。ご無沙汰していてごめんなさい。本当に元気でよかった。

25日の今日は定休日です

遊びに来ていた友達夫婦が昨日神奈川へ帰って行った。うちの犬は二人を大好きになり、顔を舐めまくった。二人ともずっと笑顔でいてくれてやっぱり帰る間際はぐっと寂しくなる。彼らもマイペースで自分たちで行きたい所へ自由に行き、ちゃんと奄美を満喫してくれたと思うが、僕はといえば買ってきてくれたビールも断り、食事もほどほどに挙句の果てに先に寝てしまうなど全くいつもと変わらぬマイペースぶりでせっかく遊びにきているのにと怒られても仕方がない。できれば釣りも一緒に行きたかったし、もっとたくさんおいしいものを食べたり飲んだりしたかった。でもできなかった。そのときに最優先しなくてはいけないものを僕はときどき間違える。シャッターをピシャっと閉めてお休みしますって今日はもう遅いんだよね。

朝、散歩にでようと玄関のドアを開けたらひんやりと冷たい風を感じた。少しずつ秋に近づいている。夏休みの代わりに秋休みが欲しくなった。もう少し涼しくなったらふらりと出掛けてみよう。さて犬をどうするかだ。

人生ゲーム

子供の頃なら夏休み終了のカウントダウンがスタートしてちょっと複雑な8月の後半。もうと思うかまだと思うかで気分は違う。しかし奄美の夏は本当はまだまだ長い。友達夫婦が昨日から泊っていて買ってきた「人生ゲーム」を一緒にやろうとしたがみんな眠気に勝つ自信がなかったから明日にお預けになった。昼寝をしない限り、ビール飲んでご飯食べたら一気に眠くなってしまうのだ。そして朝は日の出とともに目覚めるのが島の夏の正しい(!?)過ごし方。

ガス抜き

昨日の夜からガスがでる。音のしないおならだ。空気が抜けるようにでていく。寝ている間もでていて、今、裸のおなかがすっきりとへこんでいる。腸が自転車のチューブみたいになって溜まったガスがおなかを膨らませていたのかもしれない。昨夜アルコールを飲む気が全くしなかったのと関係があるのだろうか。ちゃんと食欲はあったのだけれど、なんとなく調子が悪かったのだ。「出すって大切~~」ってやつか。

今度は気合を入れて飲んでみよう

ずっと晴れていてそろそろ降ってほしいなと思っていたら雷と一緒に夜に雨が落ちてきた。知り合いと一緒にカフェにいたときでみんなで急いで窓を閉めた。夜のカフェで夏野菜のパスタを食べ、あったかいプリンを食べたあと、締めでビールを一本飲む。一本だけなのに酔っぱらったようにぼーっとなった。時計を見たらもうすぐ10時でただ単におねむの時間になっただけ。
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「あれね、リンゴのマークが入ったおもちゃなのよ。いつもああやって遊んでるの。こんなに暗いのにちゃんと写るのかしらね」

白い犬と黒い犬

昨日見た白い犬はとてもおとなしく
一度も吠えることはなかった
僕の黒い犬は尻尾を振って
外に飛び出そうとするが
鎖でつながっているから動けない
白い犬の飼い主の子供が近づいてくる
黒い犬は低い声でウォンと吠えた
危ないからごめんねと子供に
こっちにこないように合図をする
とても残念そうに戻って行った
もしも海で出会ったならばいくらでも
自由に遊ばせてやれたのに
車の行き交う道路を挟んでいたからそうするしかなかった
僕の黒い犬は納得できずにずっと吠え続けた
白い犬はかまうことなく平然と澄ました顔で
飼い主と一緒に去って行った

空の道

朝の5時でもまだ暗い。犬に無理やり起こされてテラスにでるとまだ空いっぱいに星が瞬いていた。すっと白い線を描くように流れる星もあった。そのたびに一人で歓声をあげ手をたたく(そっとね)
と、これが14日の朝のことで昨日は本当に静かな一日。明けた今日はやはりまだ暗いうちに起こされる。朝焼けがきれいだからこのまま散歩に行こうと表に出たら、初めて見る空の風景に出合った。
太陽の昇るところから青い道が延びていて、ずっと月まで続いている。時間が経つにつれ青い道はさらに延びて頭の真上を通り、反対側の山の上までつながった。虹ではなく雲を真っ二つに分けた光のみちだ。誰も見ていない。目撃者は僕と犬だけ?ときどき通る車は気づいていたのだろうか。
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