オン・アンド・オン・アンド・オン

散歩の帰り道、犬は歩幅を合わせるようにゆっくり横を歩いている。
行きは尻尾を高く振って(早く早く行こっ!)ってぐいぐい引っ張って進むのに。海で目一杯走り回ったくせに、なかなか帰りたがらないので、「もう先にいくよ!」って手を振ると思いっきりあわてて戻ってくる。車の通る道路は危ないから手前でちゃんとリードをつける。それで手をつないでるような安心感がある。僕らはまだ昇ったばかりの太陽に向かってゆっくり坂を上る。イヤホンで音楽を聴きながらぼーっと考え事をしていたら、一瞬、犬と一緒にいることを忘れた。でも、ちゃんと手をつないでいるから大丈夫。隣を見たら、犬も何?ってこちらを見た。すぐ目をそらしたけれど、ちょっとほほ笑んだ気がした。相変わらずの眩しい風景だけれど、風がさらりとして気持ち良くなった。本当にそれだけで嬉しくなる。映画マンマミーアと同じ、キラキラの世界。古いMDを引っ張りだしてパソコンに取り込んだ。明日はABBAが散歩のBGM。

15日の今日は定休日です(火曜だからパラダイスも!)

先週の火曜日に珍しくたくさん喋ったからか、もうしばらくおなかいっぱいって口を貝にしたまま一週間が過ぎた気がする。本当に自己チュー。ものすごい速さで月と星が追いかけっこしてるように見えたのは低い大きな雲がゆっくりと西に流れていたからで、じっと見つめていたら動いてるのは月でも星でもなく、自分自身だと感じた。船が離れていくとき見送っている側の岸が動いてると錯覚するように。でも、錯覚ではなくて本当に地球は回っていて、だから太陽は沈むしまた昇ってくる。自分の側からしか世界を観ていなかった人たちは、まさか自分がものすごい速さでぐるぐる回されているなんて思いもしなかったろう。ただ、そこにじっとしているだけでもとんでもない距離を移動しているというのに。みんな転がる石なんだ。昨日ドッドーンと雷がなって家がびりびりと震えるほどだったのにほとんど雨は降らなかった。それからもっと不思議だったのはあんなに近くに大きな音がしても稲光をみることができなかったこと。そして今朝、目が覚めたら今度は音のない光だけのショーを海の彼方でやっている。真っ暗な空に静かな稲光が走る。ゴロゴロとピカピカがセットではなく、単品でやってきた。するともうすぐ雨の番だ。雨がザーザー降ってきたらビーサン履いて服を着たまま散歩に出てやろう。犬はためらわずついて来てくれるだろうか。

999

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このとき聴いていたのは銀河鉄道999ではなくてRCのトランジスタラジオ。
イントロ聴くだけでいつでも17や18の自分に会える。

雨がザーザー降るともっといい

僕は部屋の壁を挟んで二つ並んだ冷蔵庫を何度も開ける。たくさん詰まった中身を確認して、食べてもいいものを抜く。昨日の焼き鳥の残りとタッパーにたくさん入ったポテトサラダ。買ってきたばかりのビール。串の柄の部分にももと焼印の入った焼き鳥は5本全部食べた。サラダもギュッと握った拳一個分くらいの山をたいらげ、ビールは半分残して冷蔵庫に戻した。冷蔵庫を開ける前に重野商店で買ったまだあったかいカレーパン、チョコボール、アップルパイに冷たいカフェオレを飲んだのがそのわずか10分前で、もしかしたらあと10分したらさてお昼だ!と、また冷蔵庫を開けるかもしれない。そんなだらだらが僕の一人と一匹の休日の過ごし方(二日目)

9月のお休みのお知らせ

思えば今日は8月31日夏休み最後の日でした。
こんなに暑くて大丈夫かっていうくらい暑いです。
お客様へ
※明日から4日間お休みいたします。
その他は通常通り5の倍数の平日、10日、15日、25日、30日
が定休日となります。
お休みの間にご来店をご希望の場合、お手数ですが事前にメールかお電話をいただければその時間だけ開けるようにいたしますのでご連絡ください。

真っ白な歯の歌うたい

いつもの朝の海散歩。軽く頭痛がしていたので今日はipodはなし。
坂を下るのもどうしようかと思ったけれど、昨日の犬のウンチも拾ってなかったので、渋々下りた。ぼーっとしながら砂浜を犬のあとから歩いて行くと立神岩の前に人影があった。太陽を背にした大きい男の影だ。どこかで見覚えがあると思ったらやっぱりそうだった。「こんにちは!」と元気にあいさつしてくれて、犬が先に飛びつく。初対面ではないけれど、初めて言葉を交わした。彼がこんなところにいた理由はいくつもの偶然が重なったからなのだが、節田で生まれたけれど、立神をこんな近くで見たのは20年以上振りだといった。僕は毎日見てるよと答える。いつもその場所で僕が海を見ながら聴いているのはハナレグミが歌うくるりの男の子と女の子でそんな話もしたかったけれど、とにかく握手して別れた。車がエンストしたり、嫁さんとケンカしたりであまりいい日とは思わなかったけれど、アニに会えてよかったと言った。僕こそそう思う。そこは特別な場所でそこで会うというのはきちんと意味があるからだ。最近ウクレレを弾きだしたので、そのせいもあるかもしれない。もしも彼がそこでギターを弾いていたらもっと面白かったけれど、キカイダー01じゃあるまいしいつも背中にしょってたりはしないよなぁ。次回は是非。

空に太陽がある限り

だんだん夜が明けるのが遅くなっている。それでも犬が起こすのはいつもと同じ時間で「まだ暗いよぉ~勘弁して~」と一応言ってみるが伝わるわけはなく、仕方がないので一緒にテラスに出る。星が綺麗で、うっすらと東の空はライラックに変化した。リードをつけると犬は喜んで海へ向かう。ちょっと怠けて僕は海まで下りずに岩の上に腰かけた。犬だけが自由に砂浜を走り回り、潮だまりの水の中に飛び込む。(入っちゃったけど怒らない?って振り向いて僕をみつめる)たまにくんくんとにおいを嗅いで砂の中からカニを掘り起こす。昇ってきた太陽は昨日は赤い玉だったが、今日はオレンジで、じっと見ていたら真っ白になった。
裸眼で太陽を見ては絶対にいけませんと皆既日食のパンフレットに書いてあったが、僕が見つめた太陽は月に隠れていなくても周りにくるくると回りながら輝くプラチナリングをはめていた。本当は毎日いろんな太陽見れるんだよって教えてあげたい。

残暑だから仕方ないざんしょ

涼しくなったなぁと思っていても日差しはきつく、風が止まると蒸し風呂状態。家の作りのせいもあるが、ずっと一日中太陽にあたっていて夜になっても部屋の中と外とでは温度がまるで違う。なかなかエアコンとさよならできない。ずっと日よけ(窓にカーテンのように幕)をするのに慣れてしまっているが、恰好悪い。エアコンで作られた木陰のひんやりとした偽のイメージではなくて、本当に夏でも窓を全開にして気持ちいいと感じられる店にしたいんだけどなぁ。

忘れちゃいけないのに

やっぱり昨日から季節が変わった。昨夜は暑かったからではなく何かタオルケットのようなものをかけたくなるくらいの涼しさを感じて夜中に目が覚めた。昨日の休みは久しぶりに名瀬に行き、子供のころから通っているおじさんのところで髪を切ってもらった。もう迷わず5分刈りで!と言える。名瀬に行くと僕らの暮らしは本当に遠くにあって、なんでわざわざあんなところで洋服やなんてと自分でも不思議に思う。行動範囲が狭いのは本当は自分なのだ。
知らない間に祖母の妹、僕の大事なタスおばさんが実家の近くに越してきていた。「カサリッチイヂ、マタホデタン、アナンナ?ハゲームカシヌ三蔵法師ヌシシュリ(笠利に行ってまた大きくなったんじゃないの?あらまぁ昔の三蔵法師みたいな格好だ)」と坊主頭の僕を下から見上げて笑って言った。オバが元気そうだったから、嬉しくて僕も頑張ってるよとちょっと胸を張ったからそんな風に見えたのかもしれない。会いたいと思っていてもなかなか会えずにいたので、実家の近くに来てくれて本当に嬉しい。子供の頃からずっとそばにいて母親と一緒に支えてくれた大事なおばさん。ご無沙汰していてごめんなさい。本当に元気でよかった。

25日の今日は定休日です

遊びに来ていた友達夫婦が昨日神奈川へ帰って行った。うちの犬は二人を大好きになり、顔を舐めまくった。二人ともずっと笑顔でいてくれてやっぱり帰る間際はぐっと寂しくなる。彼らもマイペースで自分たちで行きたい所へ自由に行き、ちゃんと奄美を満喫してくれたと思うが、僕はといえば買ってきてくれたビールも断り、食事もほどほどに挙句の果てに先に寝てしまうなど全くいつもと変わらぬマイペースぶりでせっかく遊びにきているのにと怒られても仕方がない。できれば釣りも一緒に行きたかったし、もっとたくさんおいしいものを食べたり飲んだりしたかった。でもできなかった。そのときに最優先しなくてはいけないものを僕はときどき間違える。シャッターをピシャっと閉めてお休みしますって今日はもう遅いんだよね。