イレギュラーな一日

昨日の台風は凄かった。夕方6時半頃、早めにご飯を食べていたらいきなりカチッと音がして家中の電気が消えた。台風はこれからが本番だから、もう当分復旧しないだろうとあきらめて眠くないのに横になった。風の音は鞭がうなるみたいにびゅんびゅん鳴り、たまに風が渦をまくと猫の鳴き声そっくりになり、どんどんと壁にぶち当たり家を揺らしたりするからまるで巨大な化け猫が家の上で暴れているみたいだった。もう外がどんなふうになっていても仕方ない、明るくなるまでじっと待つしかないと目を閉じた。途中何度か目が覚めたが何とか一晩やり過ごすことができた。明け方の6時になってもまだ雨も風も強かったが心配だったので外の様子を見に行った。傘をさすこともできずびしょぬれになる。幸い店も家も異常なかったが庭のトマトやピーマン、ナスなどの野菜は全部ダメになった。鉢に植え替え家に入れてやるべきだった。一番心配だった猫も家の中ではなく店の横なら屋根もあるし大きなテーブルの下なら風も防げて安全だろうと思っていた。だが夕方までは確かにそこにいたが、朝はいなくなっていた。周りの植物も弱っていたしテーブルの下もびしょぬれだった。午後からようやく風もおさまり、雨も上がったので家や店の周りを片付けた。潮でべたべたしていて全部ホースで洗い流した。そしたら台風の前はあんなに蒸し暑かったのに今は風もひんやりと気持ちよくやっと落ち着いた。そのままテラスで海を眺めていたら猫が元気に駆け上がってきた。無事だったんだと本当にほっとした。
穏やかな日常が戻った感じ。もう子供の頃のように台風を楽しめない。各地の被害が最小限で済むように祈りたい。

嵐のまえに

去年も台風らしきものは一度だけ経験したが、まぁ大したこと無かったとみんな言っていた。それでも僕はガタガタ鳴るシャッターの音で一晩中眠れなかった。心配で何度も外を覗いた。名瀬よりも笠利は風が強く、直撃した場合、長時間停電したり被害も大きいと聞いていたからだ。
今度の台風4号はかなり強力みたいで、最接近するのは明日の午後だという。今はまだ静かだ。ただ湿気はすごい。いまのうちに家や店の周りをかたづけなくてはならない。真っ暗の中、蒸し暑い家の中に閉じ込められるのは想像しただけで憂鬱だ。冷蔵庫の中身も整理しとかなくてはいけないし、一番気になるのは今もテラスでのんびり寝ている猫のことだ。
そういえば、前に靴のnakamuraさんに台風の日は水着で家から店に移動しますと言ったら笑われたけれど、明日もずっと海パン一丁だと思います。

朝までぐっすり寝てみたい

雨の音で起こされ、慌てて窓を閉める。時計を見るとまだ1時過ぎ。寝たのは11時くらいだったからちょうど深い眠りに入ったところだった。すぐやんだのでまた窓を開け風を入れる。しばらくするとまたバラバラと大粒の雨。で、また閉める。その繰り返しですっかり目が覚めてしまい眠れなくなってベッドを出た。明日は休みなので昼寝をすればいいかと開き直る。夕べ9時頃にテラスでゴザを敷き仰向けで寝たときは本当にきれいな満天の星空で、風も気持ちよかったのでもしかしたらこのままここで寝れるかもと一瞬思ったりしたが、実際寝てたら大変だった。クーラーなしの生活もなかなか難しい。

BGM

勝手にリンクしたのはモナコにあるお気に入りのインターネットラジオ局。
ミュージックプラスムービーの略でm plus m
フランス語に吹き替えた映画の名シーンが出てきたり曲も途切れずにずっとつなげてるのがいい。
ON AIRをクリックして回線、プレーヤーを選んで聴けます。
webのデザインも他のラジオ局とは全然違ってかっこいい。
早く奄美のFMも全世界でネットで聴けるといいなぁ。

店内はサウナのようで申し訳ありません。

もう何日雨が降ってないだろう。昨日も星が綺麗だった。でも北の方の空には連続的に青っぽいフラッシュのような稲光があるのに音は全く聞こえないのでかなり遠くのほうだと思う。あれが九州に大雨を降らせてるに違いない。何処から境か分からないがやっぱり海のかなたのずっと遠くの空まで見渡せる証拠だ。夜中に起きてしまうのは蒸し暑さと嫌がって逃げまくっているのに一晩中追っかけまわしているさかりのついた猫のせい。

夏のはじまり、はじまり~。

毎日いい天気。それにここ三日ばかりまんまるの月が海から生まれるのが見える。最初は赤っぽく、上に上るにつれどんどん白くなって最後は真っ暗な海に綺麗なスポットライトをあてる夜の太陽みたいに輝く。
昨日は近くの海の立神で村松健さんのLIVEがあり、遅くまでピアノやウクレレ、サンシンの音が聞こえていた。ちょっと弾きたくなって久しぶりにウクレレを弾いてみたが猫はかんべんしてと逃げていった。
先週、本を7冊も借りたのに一週間で読んだのは一冊だけ。
700ページもあるぶ厚い本で全く面白くないのになんでこんな本が世の中、いや笠利の公民館にあるのかそれだけが気になって意地になって全部読んだが本当につまらなかった。
楽しかったのはツタヤから借りたDVDの「かもめ食堂」。
もう準新作になっていて一週間借りているのだが何度でも見たくなるので買ったほうが良かったかもしれない。
おにぎりよりもコーヒーの似合う店だからやっぱり食堂ではなくカフェだと思うけれど、日常の中に何気なく置いてある特別な場所、いごこちのいい空間を、うんうん、そうだよねぇといちいち納得しながら食い入るように見た。僕らの店もそうあらねばと思いながら今日は店構えを少し変えるべく朝から車を走らせペンキを買い、せっせと塗った。ガラスに付かないように新聞紙とガムテープで養生しながら。途中でペンキが足らなくなったのでまた夜にペンキを買いに行かなくてはならないけれど日が長くなったので一日にニ回のドライブもなんだか楽しい。

爽やかなゲップ

昨日は前日までの予報は曇りだったのに朝起きてみると雲ひとつない奄美晴れ。空気は澄みきって空も海もまっさらな青。朝食の前に自転車に乗り10時までなら速達じゃなくても翌々日には配達されるからと月末の〆の書類をポストへ投函しにいく。そのまま奄美パークへ。
開園時間の9時を過ぎても誰もいなくて自転車のまま野外ステージをくるっと回った。海から吹いてくる風が気持ちいい。クルククククーと綺麗な声が聴こえて振り返ると目の前を低い高さでアカショウビンがゆっくりと飛んでいった。初めて見た。家に帰って興奮気味に相棒に話したがアカショウビンって何?って寝ぼけた答えが返ってきた。朝食のあと、二人でエアコンのフィルターや窓ガラスの掃除に始まり、シーツからスリッパまで洗えるものはどんどん洗って家中をぴかぴかに磨いた。今年の梅雨はあっという間に終わってまた新しい夏がやってきたねぇと今度はむしょうにコーラが飲みたくなってもう一度自転車を走らせ自販機まで買いにいった。カロリーゼロの新製品を試してみたがやはり薬みたいでいまいち美味しくなかった。

本に続いて映画も音楽も

看板を下げるときに、隣のガソリンスタンドに見慣れない青い箱がどーんと置いてあるのを見つけたので近づいてみるとTSUTAYAの返却BOXだった。
ここに引っ越してからは好きな映画をみたり、CDのレンタルをしたくても返却が億劫で、同じツタヤのサービスでネットを使ってリクエストしたDVDを送ってもらい郵便ポストに返却するシステムも試してみたが、なかなか希望のDVDは借りられず、すっかりあきらめていたところだったのでこれはかなり嬉しい。自宅からパジャマのまま朝(10時まで)返却すればいいのだ。こうなったらいいなぁと思ったことはいつの間にか実現したりする。次の願いは奄美パークで映画が観れるようになること。立派なスクリーンはあるのであながち夢ではないと思うのだけど。

夏至

昨日、地球温暖化STOPを訴えるフリーペーパーを持ってきてくれた人がいた。
夏至の日に電気を消してローソクで過ごすイベントのことや
日常の身の回りのことで少しでもそれを意識をすることから環境破壊を遅らせたり、止めることができる。未来のために今からできることを始めようと呼びかけている。
夕方、たまたまいつも採れたての野菜や貝を分けてくれるおばちゃんがスイカを持ってテラスにあがってきてくれて、「あんたたち、いつもここで寝たらいいよ!こんなに涼しくて気持ちのいい場所、最高じゃがね、夜は星も綺麗だし、おばちゃんたちはずっと昔からそうやってきたんだよ。家の中は暑いからね。今みたいにクーラーなんてないし、テレビだってなかったんだから」と、そういったキャンペーンなどとは全く関係なく日常の暮らしの知恵として話してくれた。
今日もものすごく蒸し暑く体がどーんと重たくなるような空気だが、
家の周りや店の横にも風がそよそよと吹きぬける場所がちゃんとある。暑い昼間、猫たちも涼しい車のしたで昼寝をしているから、そのおかげで車を使うのも遠慮している。このまま店も家もクーラーを使わずに乗り切ってみようかな。

野生の牙を持つ女

朝5時に起きる生活が三日間ほど続いている。
東の空に厚い雲があったので今朝はまだ真っ暗だった。
窓の外を覗いて猫も起きてるとあいさつをし横に座って頭をなでる。その間に何箇所か足を虫に刺された。猫はずっといるわけではなくこないだ久しぶりに子連れでやってきた。それが三日前の話で朝早く鳴き声がしたのでテラスにでてみると家の角のほうに3匹が固まっていた。何をしているのか近づいて見て卒倒しそうになった。今までも二回小さなねずみが死んでいるのを見かけてこれは猫が本能で捕まえてくるものでおみやげみたいなものだと知っていたが今回はちょっと気持ち悪かった。これも子猫に狩を教え、生きていくために大事な事なのだろうがさすがに頭をひきちぎられたヘビは気持ち悪かった。しっぽからガリガリかじるのをみて、いや人間がタコやイカのあしを食ってるようなものだし僕らだって生の魚や肉を食うわけだから同じだよなぁと乾いたキャットフードばかり食べるお嬢様じゃないと無理やり納得した。僕らがいなくてもちゃんと大丈夫なのだ。

お休みのお知らせ

出張のため、17日(日)から19日(火)までお休みします。
16日(土)は17時半まで20日(水)は午後1時からの営業となりますので宜しくお願い致します。

休日じゃなくても

定休日を月曜にしない?と相談したところ、せっかく水曜休みで定着したのに、ころころ変えないほうがいい,お客様も戸惑ってしまうからと反対された。僕としては土日は忙しくてその直後の月曜は暇だし、一週間の区切りとして一般のお休みの日曜に近い方がいいとか考えたのだが却下された。月曜日がなんとなくプライベートな楽しみのために、またのんびりするのにちょうどいい気分だったのだが結局そのまま水曜定休でいくことになった。
その代わり僕は月曜に何か楽しみを作ることにした。
月曜は銀行や郵便局に行く用事もあるのでそのついでに公民館に行き本を借りて帰ることにしたのだ。
ちゃんとリクエストにも答えてくれるし、新しい本もたくさんある。
目黒も大泉学園も茅ヶ崎もそれから名瀬もそうだったが緑の中にある図書館はやっぱりオアシスみたいで気持ちいい。
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リンダ

まるまるちびまるこちゃんを毎週見ている。そのなかの三文字しりとりのコーナーが好きでずっとチャララララ(HEY!)チャラララ(HEY!)と頭の中で繰り返してしまうのでちゃんと聴きたくなってしまい、ダウンロードサイトで山本リンダを探す。「狙い撃ち」よりも「きりきりまい」のほうがいいなとか、懐かしくなってどんどん試聴する。そのうち、あれ?どっかで聴いたことのある声だなと思ってたらわかった。にしおかすみこだ。もう「どうにもとまらない」は彼女が歌っているようにしか聞こえなくなった。

グレコとチビと時々おとん?

あれからグレコはチビたちを連れて裏からいつもの縁の下に少しずつ移動してきた。はじめはびくびくしていた子猫たちも母猫の様子で僕が敵じゃないと分かると僕の足元にじゃれてくるようになった。グレコはちゃんと安全かどうか確認しながら引越してきたのだ。
でもあくまでもノラはノラ。家の中では飼えないので雨を防げる軒下にすのことダンボールでちいさな家を作ってあげた。
半年前、テラスに現れ始めた頃グレコはすばしっこくて目つきも鋭く例の三角口でカーッをやるからあまりかわいくなかった。対してシマ吉は顔が大きく目が丸くてのんびりしていて鳴声も小さく「にゃ」と遠慮がちだったりしたので僕らは断然シマ吉派だった。
ご飯のとき、二匹がかぶるとグレコは鼻でシマ吉を押し出すようにして食べさせない。意地悪しちゃだめ!コラッ!と軽くしかったりしながら二つお茶碗を並べて食べさせたりした。
が、最近分かったのはノラにはちゃんと縄張りがあってグレコはきちんとそれを守っていただけだったのだ。節操がないのはシマのほうだった。
シマがお茶碗におしっこしたとき、シマ吉こらぁ!って追っ払ったら、グレコがこっちをみてやっと気持ちを分かってくれたと今まで見せたことの無い明るい表情をした。シマのマーキング(おしっこ)は気の弱いオス猫の情けない抵抗だった。
今日、三匹が仲良くじゃれて遊んでいるところへぬーっとシマ吉が現れた。
グレコはとっさに防御しにいった。あとをチビたちが追いかける。
グレコに鼻でつつかれたがシマはごろんとねっころがって動じないふりをする。
もうグレコは相手をしないが、そのかわりチビは一生懸命足を突っ張り背中をふくらませて威嚇する。シマは面倒くさそうにたまにわっと起き上がってみせる。
そのたびチビはびっくりしてぴゅーと逃げ出す。
もしかしたらシマ吉が父親なんだろうか?(実際、一度シマがグレコを追っかけまわしてるのを見た)だとしたら本当にだらしない父親で、あのドラマの世界と同じだと思った。
僕が勝手につけたシマのフルネームは島尾シマ吉だったが泉谷シゲ吉にかえてやろうかと思う。
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麻のシャツ

梅雨入りした奄美は月火と嵐のような雨。雷もごろごろぴかぴかと激しかった。
ところが昨日の休みはうって変わって快晴で今日も引き続き晴れ。
休みの日に晴れるのは嬉しいがやはり営業日に雨だとお客様の足が遠のく感じで暇を覚悟する。(基本的に忙しい事はないのですが)
今日は朝から荷物が届いたので検品して店に並べる。今の時期でも週に2,3回の納品があります。ずっと待っていた商品で僕が海の近くに店を移したときに一番並べたかったもの。どんなに年をとっても洋服を着ることに楽しみが無くなったらさびしい。人に見せるというよりも自分が着ていて楽しくなる気持ちのいい服を僕はずっと探していた。葉山のS+Cの店に初めていった時の感動は忘れない。そこに置いてある服たちは本当に明るく清潔で、さわやかな風を感じるような、そしてとても綺麗なものだった。自分に似合いそうとかではなく似合うようになりたいと思わせる服だった。海のそばで肩の力を抜き、のんびり自然体で暮らす。それは夢のようにずっと思い描いてきたことで、それが現実には叶わなくてもその服は着るだけでもその気分を充分満たしてくれそうだった。
海のそばで気持ちいい服を並べる。そしてまた誰かとその心地よさを分け合えるのが今の僕の仕事。

ただただ見守るばかり

5時半に目が覚めた。猫の鳴き声で。(すみません、また猫の話です)初めてチビクロを見つけたのが去年の10月。夜、子猫の鳴き声が聞こえたので家の周りを探してみたらクーラーの室外機の下に小さな黒猫がいた。目だけが黄色く光っていた。親猫からはぐれたのか、ちょっとおびえている様子だった。後ろからそっと抱きかかえたが一瞬のうちに飛び降りてぴょんぴょんと飛び跳ねるように逃げていった。
その日は夜中ずっと鳴いていて窓からのぞくと塀の上で空に向かって親をよんでいるみたいだった。何日かしてこの猫が親かもしれないと思ったのがグレコで、ある日チビクロがグレコの後をくっついて歩いているのをみて、あぁやっぱりそうなんだと安心した。
それからグレコはしょっちゅうテラスに現れるようになったがチビクロは見かけない。もう大きくなって別行動なんだと思っている。
姿ももうチビではないだろうし、たまに遠くのほうに黒い猫をみつけるからあれがそうなんだと思う。
グレコは最初の頃はいつも縁の下に隠れていてなかなか出てこなかった。たまに顔を出してもカーッと口を三角にあけて威嚇するし、エサもお茶碗からサッとくわえてもっていき離れたところで食べていた。
それを繰り返すうち、いつの間にか慣れてエサを堂々ともらいにくるようになった。体に触れるのも絶対に無理そうだったのに今では平気で抱っこされる。いなくなった三日間、僕らが想像してたのはきっと子供を産んでたんだろうという事。少しすっきり細くなったし何よりもおっぱいがでろーんと伸びて目立っていた。でも、だとしたら子猫は何処にいるんだろうといつも気になっていた。ちゃんと面倒みてるのだろうか、もしかしたら産みっぱなしで知らんふりしてるのではと疑ったりした。
そして昨日の夜、7時でもまだ明るいが閉店時間なのでシャッターを下ろそうと店の裏に支柱をとりに行ったとき、海に続く道の真ん中にグレコがいた。そばに小さく黒いのが2匹チョロチョロしてる。おっぱいを飲んでるみたいだ。グレコはまっすぐこっちをみてる。
僕はあわててテラスにあがり、台所にいる相棒を呼んだ。
二人でテラスからじっと見つめた。そんなとこで車が来たらあぶないよって心配してたらグレコがゆっくりと草むらのなかに子猫をおうように移動した。ちゃんと母親してたんだと安心して、それから
昨夜も雨の中、体を濡らし夜遅くにご飯を貰いに来た姿を思い出し、なんだかいじらしくなった。
今朝もなんでこんなに早く来たんだろうと眠い目をこすりながらご飯をあげる。
「お前、ちゃんと母親してるんだねぇ」となでているとふと何かの音を気にするように耳を動かしていた。僕も遠くで猫の鳴き声を聞いた気がした。ゆっくりと家の裏のほうに歩いていくのでついていくとカーッと威嚇された。いったん知らんふりをしてひっこみ、後からそーっと裏をのぞくといた!黒い子猫が2匹、室外機の下から出てきた。グレコが引っ張りだしておっぱいをあげている。感動して僕はまた釘付けになった。
そしてさっきから僕は家の裏とテラスを行ったり来たり。グレコも同じように行ったり来たり。たった今も。雨が降っては大丈夫か?と声をかけに行く。そのたびにグレコはそれ以上は近寄らないでと目で威嚇するのだが、またしばらくするとにゃあとテラスへ顔を出す。
僕が子猫を連れて行かないように警戒しているのかも。

霧の夜

午前中は少し蒸すような暑さだったのに山のほうは全体に白いモヤがかかりそこから吹いてくる風はひんやりと肌寒いくらいだった。そのモヤがどんどん近づいてきてとうとう夕方から店や自宅もすっぽりと霧に包まれた。マイナスイオンを浴びまくる感じ。夜ごみを出すために外に出たら遠くのほうの灯りが霧で滲んで空全体にオレンジ色が広がっていた。本当に細かいミストシャワーのなか時折ボタッと大きな雫が落ちてきた。霧の中、車のいない道路でハナグロがのんびりくつろいでいる。近づいてもまったくおびえずじっとこっちをみている。いきなり人間の言葉で話しかけられたとしても驚かないくらい半分夢の中のような幻想的なシーンだった。

風に乗る音

予報ではもう入梅している頃なのに今日は朝から高い所に細長く薄い雲が浮かぶだけの気持ちのいい青空。長袖のシャツを着てちょうどいいくらいの適当な湿度のさわやかさだ。まだクーラーも必要ない。店内のライトもお客様のいない時間は消すようにしてなるべく涼しく過ごす。日向にいるとちょっと暑そうだが店の横は木陰にいるようで気持ちいい。いつか木の床を張ってもっとくつろげる(お客様にも)場所にしたい。朝、看板を出すときに道路を渡るがちょうど丘の上になっていて遠くまで見渡せ、たまに真ん中に立ったときに右にも左にも車が一台も見えないときがある。商売をしているのだから通りはにぎやかなほうがいいのかもしれないが僕は反対に嬉しくなってしまう。本当に静かで聞こえてくるのは波の音(時にはごぉーっと鳴るような潮騒)と鳥のさえずりだけ。

同じ星で生きている

昨日はGW明けの最初の僕らのお休み。
GWも平日も忙しさ(暇さ)は変わりないのだがなんだかちょっと気が張っていたせいか終わって少しほっとした感じ。天気予報は月曜から木曜までずらっと晴れマークが並んでいる。そろそろ梅雨入りするのでその前に植物なども太陽をいっぱい浴びる感じだ。部屋の掃除の手伝いをして、スーパーまで食料品の買出しに付き合い、そしてそのまま公民館の図書室へ本を返しにいった。ちょうどお昼休みで借りることはできず残念。そして午後はぼさぼさに伸びた髪を切ってもらった。昔から髪を切ってもらった後はいつも頭がボーッとして放心状態になる。本当にリラックスできる。お客様を迎える立場としてちょっと忘れてた大事な事を思い出させてもらった。買い物だって気持ちよくできるのが一番だ。
夜ご飯を食べたあとテラスにでたら星がいっぱいでてた。すぐにシマ吉とグレコが一緒に遊びにやってきた。シマ吉の左の前足からは出血の跡があった。おとといもびっこをひきながら歩いていたし、首筋に大きな傷を負っていたこともある。グレコもいつも体中に葉っぱやら何かの種などをくっつけているし、本当に毎日がサバイバルなんだと思う。ご飯を食べて少しごろごろとのんびりしてる姿をみてずっとここにいたらいいのにと思うがまたいつものように道路を渡って草むらのなかに消えていった。
どこで寝てるのかしらないが今日は満天の星空が気持ちいいよねぇと、本当に僕の頭の中は最近猫のことばかり。

時間の概念

今日から5月。雲は多いが適当に穏やかな日差しが気持ちいい。
前にも書いたが一週間や一ヶ月のサイクルが異常に早く感じる。
忙しくてあっという間ではなく全くその逆なのだけどあまりに変化の無い日々を過ごしているからだろうか、毎日が凪ぎ状態で平和だ。自分のテリトリーから動かずにいるとそこだけ時が止まり、気付くといろんなことが過ぎ去った後で時間の経過に気が付く。本当に浦島太郎になったみたいに。
その時間の経過が一度だけ逆転したときがあった。
近所のノラのうち、シマ吉よりももっと頻繁にご飯を食べにくるグレコ(顔が異常に小さいわりに下半身はぽってりして色もグレーっぽいからイタチみたいでちょっと意地悪な感じだからぐれた猫でグレコと呼んでいる)がある日ぱたっと姿を見せなくなった。ほぼ毎日来てたのが急に来なくなるとものすごく心配なものでもしや交通事故かと近所を探してみたりした。
結局、四日後に何事もなく現れたのだが、そのときは空白の三日間が一ヶ月くらいに長く感じた。それだけ平和で暇ってことなんだけど・・・。
今日もやわらかな太陽の下で、あきらかに僕よりも行動範囲の広い猫と一緒にのんびりご飯を食べるGWの間のあきれるほど平和な一日。