明日は中学校の卒業式。そして翌日が公立高校の合格発表。みんなに明るい春がやってきますように。自分の時はどうだったか、なんとなく覚えている。テレビでは入学祝いを狙って腕時計のCMがずっと流れていた。実際に得意気に新しいSEIKOの腕時計をしている奴もいた。万年筆や腕時計などの小道具もそうだが、中学校は男子全員丸坊主だったので、ここで髪を伸ばしたり、香水つけたりと急に色気づく。もう高校に入りさえすれば勉強なんてしなくていいと勘違いしていた。テストで良い点を取るための勉強はさらに頑張らなくてはいけなかったのだが、僕は洋楽やファッションにばかり興味があって全く勉強しない子になってしまった。それならもっとスポーツに打ち込むとかなら良いが、それも仲間で遊ぶ方に楽しみを持ってしまった。競争する気持ちが全く無かったのだ。そういう能天気な性格は大人になってからも変わらず、振り返ってみるとそのせいでしなくていい苦労をしてきたとも思える。だけど友愛、博愛の精神はじいちゃんのお兄さん譲りだと思うし、自分らしく生きて来たのだからそれでいい。