2012 10 23

実はうちの店、OPENして10年が経ちました。
これは月並みな言い方で申し訳ないのですがお客様のおかげです。
本当にありがとうございます。
よく続いたなと思う気持ちと、やりたいことをやって、それしかなかったのだから
続いて当たり前という両方の気持ちがあります。
初めてのお客様にお買い上げいただいた時の感動や、本当にこんなに暇で大丈夫なんだろうかと不安になったことや、次第にお客さまが増えてきて少しほっとしたことなど、OPEN間もない頃のことは今でも鮮明に覚えています。
毎日、毎月、毎年の繰り返しの中で比較される売り上げの数字。
上がっていくときがあれば、下っていくときもある。
売り上げが悪くなっても誰にも責められたりはしないけれど、その分生活が苦しくなる。
安定して生活していくためにはある程度の売り上げをキープしなくてはいけない。
そのためにしなくてはいけない最低限の努力も僕は怠っているのかもしれない。
ただ、僕らは基本的に本当に好きなもの、自分たちがいいと思うものを集めて見てもらい、
お客さまが同じように感じて気に入っていただけたら、それが喜びの共有になると信じている。
日々の仕事の一番大切な部分だと思う。
今年の6月、この10年のなかで一番低い売り上げを記録しました。
その責任をとって(都合のいい言いわけですが)店を閉めるのではなく、僕自身が店を辞めようと思いました。
本当はもう店にいるのが辛くなってしまったのです。
物を売るのが、すすめるのが、嫌になってしまいました。
心から楽しく笑って接客できなくなってしまったら、もう店にいる必要はない。
相棒に任せて裏方に徹しようと思ったのです。
そのためにチビを保育所にいれたりの準備をしました。
最初の一ヶ月(7月)はなんとか思うようにシフトできたのですが、
次第に家での仕事が相棒のほうが多くなり、僕はまただんだんと店にいる時間が増えてきました。
そして今はほとんど元のまま、僕が一人で店にいることが多くなりました。
若返り作戦失敗です。
でも、僕が最近感じるのは、ずっと長くお付き合いいただいてるお客様の他に、初めてのお客さまも
多くいらっしゃるという事です。
今日もそうでした。久しぶりに来られたお客様に、初めていらしたお客様。
お店は物を見つけるだけでなく、人と人の出会いの場でもあります。
その誰がいらっしゃるかわからない、どきどき感はお店ならではのものです。
店を始めた当初、僕らは空気のようにあまり目立たないようにしたいと思っていました。
お気に入りの服を見つけるのに、ほんの少し手伝うことができて、結果一緒に喜べたらそれが僕らにとっての充実感につながります。
それを僕一人ではなくまた二人で味わえたらいいなと思っています。
それが僕がお店を始めるときに考えていたこと、空気が流れる場所、居心地のいい場所。僕と相棒のイニシャルをつなげたairyという名前に込めた思いでもあります。
透明な空気のように一緒にいれたらいいなと。
できれば、無駄な恰好をつけず、歳をとってもできる限り店を続けていきたいと思っています。
いろいろ反省しなくてはいけない事ばかりですが今後もairyを宜しくお願いいたします。
頑張ります!