感謝

本当にあれからまだ一週間しか経っていないというのが信じられない。
一晩中、相棒の腰をさすり、骨盤を押し、体を支えて一緒に病院内をゆっくり歩いて子宮の入り口を開かせるため運動したりして(と、書くと僕もものすごい頑張ったみたいだけど、実際は看護師さんや相棒に指示されるまま、眠いのをこらえておたおた動いていただけ)
夜が明け、朝になってもなかなかお産は進まず、本当にちゃんと出てくるのか不安で仕方なかったが、相棒も何度もいきんで、いきみ過ぎて、もう力がでないよと泣きそうになってる、いや実際泣いてたとき、先生が「じゃあこれが最後のひと踏ん張りだから。少し僕たちがお手伝いをします。機械を使って赤ちゃんの頭を吸引をして引っ張りだします。その時、助産婦さんがお腹を押すので、それに合わせてもう一回だけ最後の力を振り絞っていきんでください!」と静かに気合の入った声でおっしゃった。いつの間にか僕らの周りにスタッフの方たちが増えていて、みなさんが「頑張って!もう少し!」と声をかけてくれる。その中にはずっと前から知っている看護師さんもいて、もう声も出ないくらい緊張して余裕のなかった僕もその輪の暖かさだけはしっかり覚えている。
病院に入って約12時間後の朝8時35分にようやく赤ん坊が誕生した。
先生がしっかりと両の手で支えて引っ張り出した赤ん坊の姿、あのぬるっと濡れた頭が足の間に見えた時の感動は忘れない。生命の誕生ってすごい。これが毎日のように(あるときは同じ日に何度も重なることも!)ここで起きているのだから、その大変さといったら・・・。
僕らにとってもその瞬間は長い人生の中のほんのひとこまに過ぎないが、本当に特別な大切なひとこまでした。小田切先生とスタッフのみなさまありがとうございました!
そして応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
赤ん坊は男の子で名を栗ノ介といいます。
どうぞよろしくお願いします。