だんだん夜が明けるのが遅くなっている。それでも犬が起こすのはいつもと同じ時間で「まだ暗いよぉ~勘弁して~」と一応言ってみるが伝わるわけはなく、仕方がないので一緒にテラスに出る。星が綺麗で、うっすらと東の空はライラックに変化した。リードをつけると犬は喜んで海へ向かう。ちょっと怠けて僕は海まで下りずに岩の上に腰かけた。犬だけが自由に砂浜を走り回り、潮だまりの水の中に飛び込む。(入っちゃったけど怒らない?って振り向いて僕をみつめる)たまにくんくんとにおいを嗅いで砂の中からカニを掘り起こす。昇ってきた太陽は昨日は赤い玉だったが、今日はオレンジで、じっと見ていたら真っ白になった。
裸眼で太陽を見ては絶対にいけませんと皆既日食のパンフレットに書いてあったが、僕が見つめた太陽は月に隠れていなくても周りにくるくると回りながら輝くプラチナリングをはめていた。本当は毎日いろんな太陽見れるんだよって教えてあげたい。