おとといの夜、夢紅のオステリアで食事をした。その予定ではなかったのに、相棒を迎えに行ったらビールを一本手渡され(運転は相棒がします!)そのまま星を眺めながら2本目もいただく。そしてカウンターでお食事となった。以前、カフェで使っていた椅子とカウンターテーブルだったので懐かしかった。でも今回は座ると正面が海に向くようになっていて、そこから風がそよそよと吹いてくる。頭の上のワイングラスが風鈴みたいにかすかに揺れて音を鳴らしていた。カウンターテーブルはキッチンを囲むようにL字型に伸びていて、他にお客様が三組いらした。みんなが夢元さんと紅さんとお話しながらお酒やお食事を楽しめるようになっている。正面の窓はそのまま開け放してあって、波の音もすぐそばに聞こえた。僕は二人がキッチンに並んで働いている姿がとても素敵だと思った。以前、「私たち、いつも一緒みたいだけど、実はすれ違いのように別々の時間を過ごしてるのが不満だったのよ。だって、カフェのお客様は私しか知らなかったりするでしょ?」と紅さんから聞いたことがあった。ずっとやりたかったことなのだ。疲れてるはずなのに、どんどんしゃべるし、楽しくて仕方がないって感じだった。夜の夢紅は海に向かってゆっくり進む船の上にいるみたいで風が気持ち良かった。笑い声も美味しい料理の匂いもみんな風に乗ってやってくる。「オヤスミなさい」と、ほろ酔い気分で螺旋階段を登りホテルの部屋に戻っていくお客様がちょっとうらやましくなった。