ハウスキーピングが僕の仕事に戻りつつある。一緒に暮らし始めた頃、掃除と洗濯は僕の仕事だった。食事の用意だけは相棒がやっていたが、そのうち家のすべてを彼女が仕切るようになった。僕がやらなくなったからではなく、自分のやり方じゃないと納得いかなくなったのだ。未だに洗濯は僕の方が上手(全自動だけどそれなりにコツがある)だと思うが、他はなんでもきちんとこなす。中でも料理は材料を無駄なくバランスよく使っていろんなメニューを作ってくれる。それがコンビニやスーパーなど便利なものが近くにない田舎暮らしで鍛えられたことだ。その相棒が外で仕事をするようになって、日々美味しいものを食べられる幸せが少しお預けになっている。「自分でつくればいいじゃん」と夢元さんの声が頭の中でこだまする。