朝のシャワーから出たら、携帯に着信表示があり息子からだった。メールを送っても返事がないことのほうが多く、朝から電話をかけてくるなんてと、急な胸騒ぎを覚え、腰にタオルを巻いただけの格好ですぐにコールバックした。何度呼び出しても電話にでない。かける前に、もうある程度の覚悟をしていて、頭の中を最悪の妄想が駆け巡る。2回かけなおして15回くらい呼び出し音を聞いたころにやっと出た。「誕生日おめでとう!」力が抜けた。
もしや免許を取りたてで事故ってしまい、救急車を待っている間に意識が朦朧として、最後に父親に別れのあいさつの電話をしたのにオレがでなかったからそのまま逝ってしまったのかと思った僕は「バカヤロー!びっくりさせるな!」と怒鳴ってしまう。すぐに笑ったが離れてくらす親の気持ちなんてみんなそんなものなんだ。毎日元気にバイトを頑張っていることを聞いて安心する。携帯の電話代を気にしながら早口で今読んでいる本を薦めて、最後に頑張れよと言って電話を切る。あーびっくりした。縁起でもないことを想像し日記にまで書いてしまうバチあたりな親父を許せ。でも本当に何かあったら必ずすっ飛んで行くからな。早くても今日の夜中になってしまうが。