たった三日間の出張だったけれど、すごく長い間、島を(店を)離れていた気分。スタートから躓いた。日曜の夜の東京への直行便が機械のトラブルで欠航し、翌日の鹿児島経由に変更になった。おかげで祖母に会う約束がかなわず、そのあと計画していた下町巡りも気が抜けてしまい取り止めた。仕事は火曜は自由が丘、水曜は葉山とたった2件の取引先を訪ねるだけのゆるい日程なのに、どっと疲れた。展示会に行くのは本当に楽しみで、出張そのものも僕にとっては島で放電しっぱなしのエネルギーを都会で取り戻すという都会で暮らす人とは全く逆の行為なのだけれど、あまり上手に時間を使えなかったのと、目的を果たせないまま帰ってきたのですこし消化不良というかもったいない気持ちが残った。奄美に帰ってきてまず予想以上に暑いのにびっくり。またTシャツと短パン、ビーサンに逆戻りで本当にここは日本じゃないみたいだ。天気のせいもあるだろうが、都会はずっとどんよりした冬の重たい空気に包まれていて、街を歩いていても人がただただたくさんいるだけで、活気やにぎわいみたいなものは感じなかった。毎回のことだが、半年前にはあったはずの店がまた全く違うお店に変わっていたりで、殺伐とした都会の時間の流れは、僕らの普段の生活とは全く違う速度なのだと感じた。それならば、たとえカメのようなスピードでもずっと自分たちのやりたいことを大切に追いかけ、続けていくことでいつか僕らはちゃんと胸を張れると思った。