お客さんとのおしゃべりが楽しい。
たくさんお話して「それじゃまた」と笑顔で帰って行かれると僕らも嬉しくなる。
「お買い物しなくてごめんなさい」と言われると反対にこちらが恐縮してしまう。
服を売るだけが仕事ではないのだ。
しかし、
「素敵なお店ですね~」に始まり
「いつからやってるんですか?」
「地元の人が買いに来ますか?」
「客層はいくつぐらいの人ですか?」
「観光客は来ますか?」
「やっぱり女性が多いですか?」
で最後に「見学だけですみません」では最初からお店の見方が違う。もしそういう視点で興味をもち、質問をするのならばまず最初に自らの身分を明かさなければいけないし、すでにお客様ではないのだから買い物しなくてすみませんなんていう必要はないのだ。うちの扱っている服を作っているTさんは服なんて道具に過ぎないと言った。僕もそう思う。しかしその服はお客様に出会い、街や海や山に飛び出すことで島を楽しく彩る道具になるし、なにより着る人の気持ちが華やぐ。僕はそれが見たい。だから何度でも服を見にいらしてください。僕らはお客さんと一緒に喜びたいのです。