夏休みの最終週だ。
夏休みを有意義に過ごす。これはもうとっくに子供時代を過ぎてしまった親の子に対する一方的な願い。子供自身はそんなの知ったこっちゃない。時間の許す限り好きなことをしたい。だからタブレットを触る。いくつかダウンロードしたゲームをするかyoutubeをだらだらと観る。僕が僕のために買ったヘッドフォンを貸したものだからますますハマる。ある日母親の怒りが爆発した。「机の上を片付けていない!部屋も散らかったまま!後でやるって言ったのにまだゲームしてるの!!」僕は隣の部屋で寝る態勢に入っていたがうるさくて起きてしまった。あぁこれもう完全に僕のせいだ。タブレットを与えたこと、ゲームの機械は買わない代わりにアプリで無課金なら良しとした。最初は飽きて次々といろいろ試すだけだったが、最近のゲームはよくできていて無料でも十分楽しめるし飽きない。完全に中毒になっている。これはファミコン世代の僕でもよくわかる。飽きるまでやるか完全クリアで終了できたらいいのだがエンドレスで次々あたらしいステージが更新されていく。学校でipad配っているんだもんなぁ。脳がデジタルで支配されるのも抗えない時代の流れか。夏休みにどんな体験をするか、それは実際の経験じゃなくてもいい。たくさんの本や映画を観たりするのも心に栄養を与える。たいくつで何もすることがないってめっちゃ贅沢なんだけど。
タブレットを取り上げるにあたって僕が話したのは、自分が今この瞬間どこでどんな風に生きているのか、それがどれだけ幸せなことか、そしてそれは決して永遠じゃない、生きている限り時間は流れる。周りをちゃんと見渡し自分を俯瞰でみることが出来たら、機械に脳を支配されている時間なんてめっちゃかっこ悪いって気がつくはず。