奄美市駅伝当日。7時半に名瀬の体育館集合のため6時45分に家を出る。まだ薄暗い中、慎重に車を走らせる。開会式もそうだが中継所にも自分の車で行くので遅れたら大変。責任重大だ。なのであまり気が回らず弟たちに母を任せるが、連絡不足で長い時間待機させたり、行き違いで何回も行ったり来たりさせてしまってのバタバタぶり。レースは雨も降らず風も無かったので走りやすかったはず。中継で画面を見ていると快調ではあるが前の選手が見えないためか少しペースが遅い気がした。後ろをバイクでついて来る監督からゲキが飛ぶ。「さぁそろそろペース上げるぞ!前が見えて来た!捕まえるぞ!」僕はゴールから100m手前で待っていた。カーブを曲がったところからひとり選手が現れた。そして後ろから小さくチビが追って来る姿が見えた。どんどん近づく。僕は横を通る瞬間、思わず一緒に走り出し声をかけた。普段大きな声を出す事があまりないので「飛ばせっ!飛ばせー!」と怒鳴るように叫んでしまった。びっくりしてこちらをみるチビの顔がこわばっている。最後のオレの声援が力になったろう?走り終わったチビに尋ねると「聞いた事のない声でびっくりした」と。結果、抜かすことはできず区間賞も取れなかったが、一斉スタートによるタスキの途切れはギリギリ回避出来た。だけどそう簡単に一斉スタートさせちゃダメだよなぁ。