2018 03 04

日曜日、ずっとお会いしたかったお客様がいらした。かれこれもう15年来のお付き合いだ。
洋服をおすすめするのはもちろんだけど、毎回いろいろおしゃべりをするのが楽しい。季節ごとのお買い物のついでに、例えば音楽の話、僕が高校生の頃好きだったアーティストのことを日記に書いたら、「私もファンだった!すごい近くでライブを観たことがあるよー」って話してくれた。それは本当に貴重な体験だったんだってわかる。例えば夏の夕暮れ、椅子に座って本を読み、ギターを弾き、屋根の上では猫がのんびり寝ているようなときに、お客さんが車でそうっとやってくる。そこでようやくお店になる。放っておけばそのまま忘れさられてしまいそうな店に、またいつかと同じような時間が流れる。新しい服のにおいとたまに本や珈琲の香り。本当はもっとゆっくり、のんびりと過ごしたい。過ごしてもらいたい。時間やお金と追いかけっこするのはひとつも幸せじゃあない。