朝の散歩で試しにあったかいコーヒーを海で飲んだらうまいだろうなと、途中の自動販売機で一本買ってみた。デニムのポケットに突っ込んで暖かさをモモのあたりに感じながら歩く。砂浜の真中でプシュっとプルトップを開けて飲んだら、あっという間に甘ったるい液体は体の中に消えた。残ったのは口の中のべとべと感と掌の無用な空き缶で、もうポケットに戻す気にはならずじゃまだと感じる。自販機の横のごみ箱まで持って帰り、カランと放ったときにお金を捨てたような気分とゴミを出現させてしまったことにストレスを感じた。もしもビーチの真ん中にぽつんと販売機とゴミ箱がセットで置いてあったりしたらオアシスだと勘違いして小銭を出して買ってしまうのだろうか。