猫は相変わらず野良のまんまだ。親猫がいなくなっても子供たちはずっとうちをホームにしている。好きなときに好きな場所に行き、おなかがすいたら戻ってくる。昼間はテラスでひなたぼっこをして、朝は犬の散歩に一緒についてくる。家にずっと閉じ込めているよりも幸せだと思っているが、昨日メス猫のくろくろが額から血を流していた。どこでやられたか知らないが、傷はたいしたことなくほっときゃそのうち治るだろうと軽く思っていたら、今朝も家の周りに血が落ちていて、少し心配になる。犬の朝ごはんが終わったころに戻ってきたので、餌をあげるがほとんど食べない。テラスのテーブルの上でじっとしていて、よく見ると血がぽたぽたと落ちている。前足で顔を洗うのでなかなか固まらないみたいだ。バンドエイドを貼ってもすぐにはがれてしまい、ティッシュとテープで手製の絆創膏をつくって無理やり貼ってあげた。どこでも行ける自由な猫は顔に白い絆創膏をつけたまま店の前でじっと丸くなっていた。なんだか自分自身の姿を見ているようで複雑な気分になる。