サンとゴの倍数

真っ暗なうちに起きてしまい、明るくなるまでオンのしつこい散歩いこいこ攻撃と戦う。今日やらなくてはいけないことをちゃっちゃと片付けるために朝から動いたのに気がついたらもうこんな時間で、あわてて日記を書く。ここのは日付を操作できないので毎日書くと決めた以上、締切は夜中の12時なのだ。名瀬まで行って帰ってくるだけで半日はつぶれる。行きと帰りに夢紅を覗いたが誰も居なくてシェルだけが元気に尻尾を振って迎えてくれた。建物がきれいに取り壊されていても、そこに新たに出来る建物を想像するほうが楽しいのでちっとも寂しくない。お客様には「あの建物がすごく好きだったのに残念」とよく言われるが、大丈夫、きっともっと素敵な建物ができますよと答える。電気屋さんに行って古いパソコンのデータを移動するためのフラッシュメモリーを選んだり、TVのアンテナの分波器を買うだけなのにすごく時間がかかった。電化製品はアクセサリーだってやっぱり楽しいのだ。で、家に戻って、せっせとパソコンのデータを整理していたら、夢元さんと紅さんがテラスにひょっこり顔をだした。玄関のほうから聞こえる水道工事のおじさんのパイプを削る音に負けないような元気な声で、おしゃべりをする。全員が半袖Tシャツだった。なんでもない今日の出来事、明日のこと、そして来年のことをただおしゃべりしているだけなのに、僕らのまわりの空気がキラキラと輝く。一緒に夢を見れる人たちがすぐそばにいて、またすごく遠くの知らない場所にもいる。すごいすごい!と子供みたいにわくわくするけれど、僕は明日、ついにヨーンジュゴ!になる。