ひたすら文章を書いてみます

えのちちって何?にお答えします。
正解は江の島の中心で父を叫ぶ!です。
父親を知らない猫が、人間のオスを少しだけうらやましいと思うけれど・・・太陽や星や月がきらめく空の下で自由に生きられる猫の話。
日記を毎日書くということと並行して短編や長編でお話を作っていきます。また、ここに載せることもありますので気が向いたら読んでみてください。感想なども是非!

毎日続けることって

今日の朝日は本当に綺麗でちょうど喜界島の上のほうから真っ赤な太陽が顔を出した。一日中、晴れていてこれから始まる夕焼けもきっと綺麗だ。そろそろ3匹の猫たちも夕飯をねだりに帰ってくる。毎朝の散歩がたまに億劫になるときがある。それはいつもいつも同じことの繰り返しだからうんざりするのだろうか。日記も気まぐれで書いているときは全然気にならなかったがこうして毎日書くとなると同じように感じてしまう。それがはっきりと内容にも表れていて、自分で読んでいてもちょっと腹がたつくらいいい加減だ。昨日、犬がうちに来てちょうど一年が過ぎた。毎朝、散歩に連れて行くのが面倒くさいなんて言ったらきっと傷つくだろうな。

接客業

お客様にこれは似合いそうだなと思うと僕は俄然やる気がでる。そういうときは透明人間ではいられない。もちろん無理やり買ってもらおうなんて思ってなく、一緒に「いいよねー!これ!」と言いたいだけだ。
「いいもの見つけた!」とお客様の顔が満足して輝くときが洋服屋にとって一番嬉しい瞬間なんです。(なんだかギラギラの佐々木蔵之介がいいそうなセリフ)でも、その気持ちは23年前初めて派遣でデパートの売場に立ったときからずっと変わらない。忘れてはいけない基本だ。一度この伝説のホスト、いや販売員に接客されてみます??

お誕生日おめでとうございます!は会員登録の自動メールか

朝のシャワーから出たら、携帯に着信表示があり息子からだった。メールを送っても返事がないことのほうが多く、朝から電話をかけてくるなんてと、急な胸騒ぎを覚え、腰にタオルを巻いただけの格好ですぐにコールバックした。何度呼び出しても電話にでない。かける前に、もうある程度の覚悟をしていて、頭の中を最悪の妄想が駆け巡る。2回かけなおして15回くらい呼び出し音を聞いたころにやっと出た。「誕生日おめでとう!」力が抜けた。
もしや免許を取りたてで事故ってしまい、救急車を待っている間に意識が朦朧として、最後に父親に別れのあいさつの電話をしたのにオレがでなかったからそのまま逝ってしまったのかと思った僕は「バカヤロー!びっくりさせるな!」と怒鳴ってしまう。すぐに笑ったが離れてくらす親の気持ちなんてみんなそんなものなんだ。毎日元気にバイトを頑張っていることを聞いて安心する。携帯の電話代を気にしながら早口で今読んでいる本を薦めて、最後に頑張れよと言って電話を切る。あーびっくりした。縁起でもないことを想像し日記にまで書いてしまうバチあたりな親父を許せ。でも本当に何かあったら必ずすっ飛んで行くからな。早くても今日の夜中になってしまうが。

てげてげ(いい加減)

黙って受け流すようにしたら何でもないことを、少し考えて「ちょっと待った!」をやると相当エネルギーを使い疲れる。かといって、だからもういいやなんていうのは絶対無理。突き詰めて考え、やっぱり違うと思ったらとことん闘い、間違いを正さなければ気がすまない性格。行き過ぎると気難し屋のうるさいだけの嫌われ者になってしまうかもしれないが、それも仕方ないと久しぶりに朝から静かに怒っていたら、そういうのとは全く無縁の友達が犬を連れて遊びに来てくれたので、1時間ほど店を閉め、みんなで海へ行く。すっかり穏やかな気持ちを取り戻す。単純だ。怒っていてもいつも冷静に問題を解決できる立派な大人になりたいものだが、その、たびたび襲ってくる怒りの対象は少なからず僕の中にも宿る島の人間の気質や悪しき習慣だったりするのでちょっと厄介。

サンとゴの倍数

真っ暗なうちに起きてしまい、明るくなるまでオンのしつこい散歩いこいこ攻撃と戦う。今日やらなくてはいけないことをちゃっちゃと片付けるために朝から動いたのに気がついたらもうこんな時間で、あわてて日記を書く。ここのは日付を操作できないので毎日書くと決めた以上、締切は夜中の12時なのだ。名瀬まで行って帰ってくるだけで半日はつぶれる。行きと帰りに夢紅を覗いたが誰も居なくてシェルだけが元気に尻尾を振って迎えてくれた。建物がきれいに取り壊されていても、そこに新たに出来る建物を想像するほうが楽しいのでちっとも寂しくない。お客様には「あの建物がすごく好きだったのに残念」とよく言われるが、大丈夫、きっともっと素敵な建物ができますよと答える。電気屋さんに行って古いパソコンのデータを移動するためのフラッシュメモリーを選んだり、TVのアンテナの分波器を買うだけなのにすごく時間がかかった。電化製品はアクセサリーだってやっぱり楽しいのだ。で、家に戻って、せっせとパソコンのデータを整理していたら、夢元さんと紅さんがテラスにひょっこり顔をだした。玄関のほうから聞こえる水道工事のおじさんのパイプを削る音に負けないような元気な声で、おしゃべりをする。全員が半袖Tシャツだった。なんでもない今日の出来事、明日のこと、そして来年のことをただおしゃべりしているだけなのに、僕らのまわりの空気がキラキラと輝く。一緒に夢を見れる人たちがすぐそばにいて、またすごく遠くの知らない場所にもいる。すごいすごい!と子供みたいにわくわくするけれど、僕は明日、ついにヨーンジュゴ!になる。

お金を使っても満足できるのは?

三連休の最後の日。一日雨で外は早い時間から暗くなった。
明日は僕らの休みで何をするかはこれから考える。いつもは「明日の休みどうする?どこに行く?」などと聞かれるのはすごく苦手で何も決めずにただのんびりしようよとだけ答えていた。休みの日にあれやこれやと予定を決めて動くのが面倒だったりするのだけれど、ここのところ、一日があっという間に過ぎたり、こうして毎日日記を書いていると改めて変化のない日々を過ごしているんだということにも気がつく。ちょっともったいない気もするのだ。本当は美味しいものを食べに出かけたり、服を買ったり、映画を観たりと、そんな一日がいいと思うのだけれど、じゃどこに行く?となると正直困る。犬がいて自由が利かないのもあるが、やはり魅力的なスポットが少ない。僕らの店もきっと同じなんだと反省も込めるが、そういう店や街づくりがどこでも本当は必要で、たとえ給付金などをもらっても使う気になれないのでは?と思う。

リンク

11時からの黄金の洋楽ライブ(すごいタイトル)とそのあとの「蘇る金狼」を観ようと思っていたら9時過ぎには寝てしまっていた。やっぱりレコーダーも必要なのかも・・・。VHSのテープで録画しても全然画質が悪くてもう見る気がしないのだ。そうやってうまい具合に次々と新しいものに買い替えなくてはいけない仕組みになっている。ふと洋服も同じかもと思った。新しい服を買うとまたそれに合うアイテムが欲しくなり、次々と買いたくなってしまう。お金に余裕があればそれでいいかもしれないけれど、僕らはそうじゃない。大事なのは新しいワードローブが増えることで今までの服もまた新鮮に生かされることだと思う。僕は毎年季節が変わるごとに同じものを引っ張りだして、擦り切れるまで、(擦り切れたら直してまで)着ているが、新しい服も毎年買う。そしてもちろん、それは今年だけじゃなくずっと着る。今年より来年のほうが気に入るかもしれないし、実際そんな服はたくさんある。
ちょっと話は違うが、店でお客さまがとても素敵な服や靴を履いてらっしゃるのを見るとやっぱり嬉しい。もちろん僕らの店で売っているものでなくて全然いい。これいいでしょう!と自慢してくれるとなおさら嬉しくなる。僕らはそれで、これを合わせたらいいですよとおススメできたり、一緒にコーディネイトを楽しむことができるのだ。とにかく楽しいことはどんどんつなげて膨らませるべきなのだ。
で、TVの話に戻り、セクスィー部長っていったい何!?
BSって不思議な世界だ。

テレビっこ

新しいTVになって観れるのは地デジだけかと思ったら、BSもCSも観れる。アンテナを変える必要もなく、TVの後ろのアンテナの差し込み口に突っ込むだけでOKで、本当は分波器などで二つに分けなければいけないが、とりあえずそのまま差し替えればどちらも観れることがわかった。昔、僕らの子供のころはNHKしかなく、民放が試験放送されたときは大騒ぎだった。初めて観たのはたしか水戸黄門だ。BSはだいぶ前から観ることができたはずだが、僕は古いTVしか持ってなかったので今回が初めて。いきなりチャンネルが倍以上に増えた。新聞の番組表をチェックするのも大変で観たい映画や音楽番組をハードディスクに録りだめできたら便利だろうが、まだそっちの機器は持っていない。でもきっと録りだめしても観ないでそのままになりそうな気もする。本当に見たい番組があったらその時間はTVにかじりついて観なくてはいけないが、そのほうがきっと面白い。紅白や箱根駅伝なんて生でこそだ。

ニットキャップ

今朝は起きるのが辛かった。ずっとオンがクンクンと散歩の催促をするので覚悟を決めて起きたら、玄関で長靴のひもが引きちぎらていてびっくりした。腹がたったので今日はもう散歩いかないぞと頭をぺチンと叩く。ちぎれた紐を目の前にぶらさげ、「誰だ!やったのは!」と低い声ですごんでみせると目をそらし、反省しているみたいに前足を揃え、座りなおした。思わず「オンちゃ~ん」と頭を抱えてこねくり回してチューしたい気持ちをぐっと抑え、眉間にしわを寄せた怖い顔をキープした。それでもう昨日のこともあるし、今日は散歩をサボることにした。ちゃんと着替えたのに。犬と猫にエサを与え、僕らもご飯を食べた後に、軽く頭痛がしたのでちょっと横になる。昨日の夜は寒かったのでお湯をためてお風呂に入ったのだけど、慣れないことをしたのがいけなかったかも(いつもは朝シャワー派)。頭痛薬を飲んでニットキャップをかぶる。風邪でもなんでもないけれど、ちょっと病人のフリをして甘えてプリンなど食べたくなった。

日記を書くのに一番困るのは実はタイトル

こないだ休んだばかりなのに、また休みだ。休み過ぎ?それでもなんだかんだとやることは多く、休みの一日はあっという間に過ぎていく。
昨日の夜は8時半くらいに一度寝て夜中の一時前にサッカーを観るために起きた。ドーハの悲劇、あれから15年経ったのかと、そしてそれは僕の人生の三分の一の年月なんだなぁと感慨にふける。試合はちゃんと起きて生で観て良かったなと思える内容だった。休みの前の晩の過ごし方としては申し分ない。ただ、さすがに夜中は冷えてきて、これでコタツとホットカーペットと座椅子があればもっといい。それで朝はオンが気を利かして寝かしてくれるはずもなく、いつものように海に散歩に行くが、途中から冷たい雨に降られ、寝ぼけた頭で散歩に出たことを後悔する。午前中はいつも銀行や郵便局、図書館、食料品の買い出しで終わる。また油断してビーサンででたらスーパーで足が冷えて寒くてしかたなかった。午後はパソコンで作ったCDにタイトルをプリントして遊ぶ。買ってから一度も使ったことがなかった機能で、古いプリンタがVISTAで使えるかどうか心配だったが、ちゃんとUSBをつなぐだけで対応できるのに感心。CDに直接プリントできるのが面白くてどんどん作る。年賀状作るよりよっぽど楽しい。夕方からはこないだの休みにツタヤで借りてきたDVDを観る。新作が450円で旧作が150円なので旧作のなかから選んで2本借りた。一本は一度劇場で観たことのある「マルコビッチの穴」でもう一度人形劇のシーンを観たかっただけだが、映画館で観たときほど面白さは感じなかった。もうひとつはビョークの「ダンサーインザダーク」でこれはずっと気になっていたのを、ようやく観れた。ストーリーは聞いて知っていたので覚悟はしていたがやはりラストは衝撃を受けた。最初、なんでこんなに画面が揺れるのだろうと思って観ていたら、ミュージカルのシーンではしっかりと構図ができていたので意識して違いを表現しているのだと思った。妄想する世界は夢や希望にあふれ、現実はあまりにも悲しく不安定だ。「ライフイズビューティフル」を思い出した。最後まで子供に夢を見せ続けた父親はとても強く、反対に男よりもずっと強いと思っていた女性(母親)が本当はこんなにも弱かったんだと今まで僕が思ってきたことをひっくり返す世界を見せつけられた気分。
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いきなり冬

すっごく寒い。暑くて日本じゃないみたいだと書いたのがちょうど一週間前なのに今日はマフラーを巻きたくなるぐらい寒い。なんだか急に年末が近づいたような気分だが、その前に誕生日もあり、え、するともう45!と自分で驚く。自分の意識よりも時間のほうがどんどん加速しているようでちょっと困る。

教会

曇っていて、雨がぱらついている。そして島に冬が来たなと感じるのはこの風だ。朝の散歩でまずそれを感じた。日中も温度が上がらず、電線がびゅんびゅんとうなっている。PCを買い替えたら、実家のTVが壊れたのでついでにTVも買い、家電関係で予定外の出費がかさむなぁと思っていたら、洗濯機も壊れた。メーカーに修理の見積もりを出してもらい、新しいのを買うか直してもらうか決めることにした。で、また電気屋さんに行く。修理費にあと1万円位足せば、安いやつなら買えるのだが、どうせ買うならドラム式だよねぇなどと相棒が言いだしたので、今回は修理してもらってまた何年かしたら買おうということにした。直しに来てくれたおじさんは以前も一度来てくれた人で、僕はその修理の間中、洗濯機のことをいろいろと質問した。本当に今流行りの家電オタクと変わらない。おじさんはいろいろと親切に教えてくれた。僕の店にパソコンが置いてあるのをみて「私もHPを開設してるんですよ」と教えてくれ、覗いてみると意外な視点に驚く。おじさん自身もなぜそこなのかわからないと言っていた。島の外から来た人の目線に共通する何かがそこにあるような気がするのだけど。

今日はお店はお休みなので

朝7時に散歩。県道沿いを歩いて海へ行く。いつもなら海に着いてからするのに道の途中でクンクン臭いを嗅ぎはじめ、くるっとお尻を回してウンチのスタイルになった。すかさず持っていた園芸用のスコップをおしりの下に差しだす。うまく乗っかった。コンビニのソフトクリームみたいだ。海につくと東の空には薄い雲がかかっていて太陽は見えない。おかげでひんやりとした空気がそのまま残っている。西の空にはまだ月が浮かんでいて、薄く透明な空ににょきっと白く飛び出した突起物のようで、押したりさすったりしたら何か大変なことになるスイッチみたいにも見える。ものすごく感度のいいロボットのオッパイとか、ちょっとエロチックだ。相当冷たいんだろうなとか妄想しながらずっとその青と白の世界を眺めていてふと地上に目線を落とすとやたら砂が黄色く見えた。以前、植木屋のバイトをしていた時、草刈り機で芝を刈っていて緑だけをずっと見つめていると緑が緑色でなく茶色(黄色だったかな?)にしか見えなくなるのを思い出した。僕らがいつも見ている景色にある色は大体いつも決まっていて、たまには違う色の世界に行ってみたいと思う。簡単なのは大きなスクリーンで映画を観ることなんだけど、今日はレンタルして26インチのTVの世界で我慢。

夕焼けのつまみはビールじゃなくて

そっか。毎日同じ時間に日記を書けば習慣になるのだ。日が沈んで幕を外し、窓を開けたらパソコンのスイッチを入れる。メールやインターネットを開かず、ワードに直行だ。これで三日坊主はクリアした(えっへん)でも今日は間違えて幕を2回外した。雲に隠れたからいいかと思ったらすぐに西日が射してきた。あわてて戻す。その時、ふわっといい香りがした。炭火焼コーヒーみたいな美味しそうな匂いだった。きっと布が陽にあたためられてそんな香りがしたんだ。布はちょうど茶色ベースに葉っぱの柄でなんとなく目にもそれっぽい。コーヒーじゃなくチョコの甘い匂いだったような気もしてきた。あー誰かミスタードーナッツでも持ってきてくれないかなぁ!・・・・・すいません、調子に乗りました。

夕方から秋

今の時期は太陽が南に傾くので、朝から窓や入口のガラス張りのドアから日差しが入る。直接じゃなくても本当に空気がきれいだから曇りでもピカッとホワイトバランスが高く、眩しくて目が疲れるくらいだ。商品もあまり明るいところには置いておけないので仕方なく幕を張る。なので外から中が全然見えないのだ。初めて入るのは勇気いるだろうなと思う。常連さんも「やってますか?」と恐る恐る入ってくる。夕方5時過ぎくらいにようやく太陽が山の後ろに隠れるので幕を外し、窓を全開にする。なんだかここから仕事が始まる感じだ。今日も昼間は風はさわやかだったが日差しは強く店の中は照明を落としていても暑かった。この季節の楽しみは空が次第に青から紫、そしてピンクに染まっていく夕焼けの時間だ。やがてどんどん暗くなり、黄色くて大きな月が浮かぶ。昨日もまだまあるい月で低いところに浮かんだ雲を明るく照らしていて幻想的だった。アラビアンナイトや星の王子さまの世界だといつも思う。ということで夕方~夜のAIRYに是非!

どんなお店が好きなんだろう。まず外から見たときに中に入ってみたくなる。入ったら気持ちのいい音楽が流れていて、いい匂いがする。そして目に飛び込むモノに次々に魅かれる。店の中から見る外の景色もいい。そして何よりも緊張せずにリラックスできる。買物はしなくても行くだけで幸せな気分になれる。僕はそんな店がいい。きっとそれは売れる店の条件とは少し違うと思うが。果たして今の自分の店はそれを満たしているだろうか。はじめに店をやろうとしたときに僕らは空気のように透明な存在でいたいと思った。人が主張してはいけない。店そのものがちゃんと生きている。主人がここは自分の店だと偉そうにしてはいけないのだ。今の僕はどうだろう?いつの間にか気難しいオーラを出していないだろうか。バイトのおじさんに間違えられるくらいがちょうどいいのだけど。

国内の出張でも。

たった三日間の出張だったけれど、すごく長い間、島を(店を)離れていた気分。スタートから躓いた。日曜の夜の東京への直行便が機械のトラブルで欠航し、翌日の鹿児島経由に変更になった。おかげで祖母に会う約束がかなわず、そのあと計画していた下町巡りも気が抜けてしまい取り止めた。仕事は火曜は自由が丘、水曜は葉山とたった2件の取引先を訪ねるだけのゆるい日程なのに、どっと疲れた。展示会に行くのは本当に楽しみで、出張そのものも僕にとっては島で放電しっぱなしのエネルギーを都会で取り戻すという都会で暮らす人とは全く逆の行為なのだけれど、あまり上手に時間を使えなかったのと、目的を果たせないまま帰ってきたのですこし消化不良というかもったいない気持ちが残った。奄美に帰ってきてまず予想以上に暑いのにびっくり。またTシャツと短パン、ビーサンに逆戻りで本当にここは日本じゃないみたいだ。天気のせいもあるだろうが、都会はずっとどんよりした冬の重たい空気に包まれていて、街を歩いていても人がただただたくさんいるだけで、活気やにぎわいみたいなものは感じなかった。毎回のことだが、半年前にはあったはずの店がまた全く違うお店に変わっていたりで、殺伐とした都会の時間の流れは、僕らの普段の生活とは全く違う速度なのだと感じた。それならば、たとえカメのようなスピードでもずっと自分たちのやりたいことを大切に追いかけ、続けていくことでいつか僕らはちゃんと胸を張れると思った。

Saigenji!

歌声や演奏をCDで聴いたり、TVなどで見ることはあっても生で素のアーティストに触れることはなかなか難しい。LIVEやコンサートなどに出かけても遠くに小さく見えるだけで、音も大きく迫力はあるがその姿はやはり遠い存在のままだ。ぶらっとやってきたその人がどんな顔で歌うのか、どんなふうにギターを弾くのか見たくて会場に行った。小さなカフェには顔見知りがたくさんいて、本当にホームパーティーのようにくつろいだ空気の中で始まった。店でお会いしたときの空気のまま、気取らず自然体で親しみやすい笑顔で挨拶をして歌い始めた。パーカッション(ただの椅子かと思った!)の福和さんと並んで演奏する姿がとにかく可愛く、僕はなんでみんなあんな熱心に追っかけるのだろうと思っていたが、やっぱり島の人間に好かれるタイプの人だった。もちろん島の人以外にも人気があると思うが、特に島の人には情熱とあたたかさみたいなものがすごく伝わりやすいのだと思う。子供が産まれたら是非島で暮らしてください。自分の大好きなアーティストを呼んでみんなにその情熱やハッピーな気持ちを伝えようとする僕らの大事な友人も本当に幸せだなぁと思いながら、あいさつに行くと「どうですか!熱い気持ちがわかってもらえましたか!」と満面の笑みが返ってきた。いいよねぇ!