MONEY!

平均株価が1万円を割ったとTVでテロップが流れた。臨時ニュース扱いだ。
お金の価値はいったい何処にあるのか。僕の財布には今1円も入っていない。いや、今だけでなく、もうこの6,7年の間ずっとそうなのだ。ネットのお買い物アンケートでも一日にどこでいくら使ったか、該当するのは「何も購入しなかった」でそれは一週間でも一ヶ月でも同じことだ。うちの相棒に「だんなさんが財布からお金出すのっていいよね。お財布にお金入れておく?」と言われた。でもそれは自由に使えるお金ではなく、そこから牛乳やらお米やら生活必需品を買わなくてはいけないのだ。僕は丁重にお断りした。世の中の主婦の人たちのやりくり上手には頭が下がる。僕が食費のお財布を預かったら計画性がないので、絶対に足りなくなってしまうはずだ。その昔、僕にとってお金の単位といえばレコード(CDでなく)だった。2500円が1レコードで、お年玉などで一万円貰ったりすると、これで4枚レコードが買えるとすぐに計算した。そして高校の頃にアルバイトで稼いだ5万円はレコード20枚分ではなく、ギター1本に替わった。やがて音楽だけでなく、靴や服といったファッションにも使われるようになったが、それは親に食べさせてもらっていた高校生までの間だけでなく、都会で一人暮らしをするようになってからもずっとそうだった。それでもちゃんとご飯も食べていたし、充分足りていたのだ。今のほうが稼げていないということではなく、そういったお金の使い方をしなくなってしまっている。CDは買わなくてもレンタルできるし、ダウンロードもできる。本だって図書館で借りまくっているが、これらは僕が高校生の頃も変わらずにあったはずだ。それでも手元に置きたいレコードや本があったからちゃんと買っていたのだ。今の僕はそういったものになかなか出会えなくなってしまっているのかもしれないが、心のどこかで無駄遣いだと思っているふしもある。また、ネットで買うのは味気なさ過ぎる。ちゃんと店に買いに行きたい。子供の頃、たまに学校の帰りや、父親と一緒に出かけたときには必ず本屋さんにより、漫画や学習雑誌を買っていた。それが最高のお土産だったのだ。取り戻さなくてはいけないのは、買ったレコードや本、服を自転車のかごに入れてワクワクしながら家路につくあの気持ちと、それを満たしてくれるお店だ!というわけで、別にお金持ちじゃなくても、そのぐらい気軽に使えるように世の中に(街に)お金を流通させなきゃいけないんだぞ!と言いたい。