パソコンが新しくなり、日記を書くよりもパソコンに慣れることのほうに忙しく、あれやこれやできることに感動しつつもそれをうまく使いこなせない自分に腹が立つ。島全体は全く波のない凪のような状態でいて、これがいつものことだが、あまりに仕事をしていない(なっていない)状況に胸の中だけはゆらゆらと不安の波がたっている。それでもシンパーイないさ~♪と大西ライオンのように歌ってみたり、なるようになるさと開き直る。やっと気温は秋らしくなってきた。朝の散歩も半そでTシャツ一枚だと少し肌寒いかんじだ。一応僕らも洋服屋だから巷のファッションにも興味がある。しかし都会のように街を闊歩する人たちのフアッションを楽しんだり、ウィンドウを眺めることは難しい。だから雑誌やTVなどでなんとなくの流行りを感じるくらいだ。もうすでにちょっと古い話題かもしれないが銀座にH&MがOPENしたときに行列ができ、大きな袋を抱えた人が3万円でこんなに買えましたと嬉しそうにインタビューに答えているのを見て、3万も使うならもっといいのが買えるだろ!と突っ込みたくなった。都会で暮らす人々には毎日とっかえひっかえ新しいものを着れることのほうが重要なのかもしれないが。種類が多くて安くてたくさん買えるのが今の時代のニーズだとしたらうちは真逆だ。でも僕らは本当に気に入ったものだけ、値段は高くても安くても関係なく、自分が手に入れたいものだけを買いたいし、売りたいと思う。先日、奄美空港まで取引先のTさんを迎えにいったとき、パンツの尻あてがほつれ、ポケットの縫い目も少し擦り切れているのを見て、ちょっと嬉しかったのは、「いつまでそんな穴のあいたTシャツ着てるの!みっともない」と普段、相棒に怒られてる自分を弁護してくれてるような気がしたからだ。なーんて言うと両方から「一緒にするな!」と怒られそうだけど。
大切に買う
ずっと日記をさぼっていたのはやっぱりなんとなく不安定な落ち着かない日々が続いているせいだ。と、まず言い訳をしておいて、世の中の動向は極端に大きなところと小さなところでわかりやすく現れると思う。
ここにいて実感できることは大都市にいて実感することとはちょっと違う。「日本で今、不景気、不景気と騒いでいるが、ハワイのほうがもっと深刻なんだよ」とさっきTVで小錦が言っていたのは納得できる。島の生活はとてもシンプルだがら自分たちのペースでのんびり生活することもできるが、それだけいろんなことがストレートに影響をもたらす。そこは敏感なのだ。これだけ平和なのはありがたいことだけど、楽園であるはずのハワイや奄美が生活するのに困難な場所であっては困る。無駄をなくすのも自給自足もいいけれど、安心して外でご飯を食べ、買い物をすることで世の中は活発になる。で、8年使ったパソコンがついに壊れたので新しく買い替えたvaioのきれいな画面にうっとりしながら「これは贅沢じゃない!仕事で使う必需品だからね。よしよし」と自分に言い聞かせる。
MONEY!
平均株価が1万円を割ったとTVでテロップが流れた。臨時ニュース扱いだ。
お金の価値はいったい何処にあるのか。僕の財布には今1円も入っていない。いや、今だけでなく、もうこの6,7年の間ずっとそうなのだ。ネットのお買い物アンケートでも一日にどこでいくら使ったか、該当するのは「何も購入しなかった」でそれは一週間でも一ヶ月でも同じことだ。うちの相棒に「だんなさんが財布からお金出すのっていいよね。お財布にお金入れておく?」と言われた。でもそれは自由に使えるお金ではなく、そこから牛乳やらお米やら生活必需品を買わなくてはいけないのだ。僕は丁重にお断りした。世の中の主婦の人たちのやりくり上手には頭が下がる。僕が食費のお財布を預かったら計画性がないので、絶対に足りなくなってしまうはずだ。その昔、僕にとってお金の単位といえばレコード(CDでなく)だった。2500円が1レコードで、お年玉などで一万円貰ったりすると、これで4枚レコードが買えるとすぐに計算した。そして高校の頃にアルバイトで稼いだ5万円はレコード20枚分ではなく、ギター1本に替わった。やがて音楽だけでなく、靴や服といったファッションにも使われるようになったが、それは親に食べさせてもらっていた高校生までの間だけでなく、都会で一人暮らしをするようになってからもずっとそうだった。それでもちゃんとご飯も食べていたし、充分足りていたのだ。今のほうが稼げていないということではなく、そういったお金の使い方をしなくなってしまっている。CDは買わなくてもレンタルできるし、ダウンロードもできる。本だって図書館で借りまくっているが、これらは僕が高校生の頃も変わらずにあったはずだ。それでも手元に置きたいレコードや本があったからちゃんと買っていたのだ。今の僕はそういったものになかなか出会えなくなってしまっているのかもしれないが、心のどこかで無駄遣いだと思っているふしもある。また、ネットで買うのは味気なさ過ぎる。ちゃんと店に買いに行きたい。子供の頃、たまに学校の帰りや、父親と一緒に出かけたときには必ず本屋さんにより、漫画や学習雑誌を買っていた。それが最高のお土産だったのだ。取り戻さなくてはいけないのは、買ったレコードや本、服を自転車のかごに入れてワクワクしながら家路につくあの気持ちと、それを満たしてくれるお店だ!というわけで、別にお金持ちじゃなくても、そのぐらい気軽に使えるように世の中に(街に)お金を流通させなきゃいけないんだぞ!と言いたい。