毎日好い天気。どんなに夜遅く寝ても朝は決まった時間に海に行かなくてはいけない。ぼーっとした頭のまま犬に引きずられるようについていく。朝から元気な新聞と野菜のおばちゃん姉妹にあいさつして畑の間の道を進む。今日も潮は満ちていてやっぱり海に入りたくなったのでパンツ一枚で飛び込む。迷ったがすっぽんぽんはさすがにまずいと思った。家から水着でくればいいだけなんだけど・・。オンは昨日、生まれて初めて泳いだ。僕が先に入って溺れたふりをしたら、砂浜を右往左往したあと、思い切ったみたいに正面から一直線に泳いできた。僕にたどり着いてもイヌカキを止めないので体中引っかき傷だらけになった。今日も同じことを試したがもうだまされないよと今日は飛び込んでこなかった。海からあがると太陽の光が真横からあたり、僕とオンの影が山の先まで伸びていて空の青と山の緑は子供の頃の記憶と全く変わらない夏の色だった。