午前中は少し蒸すような暑さだったのに山のほうは全体に白いモヤがかかりそこから吹いてくる風はひんやりと肌寒いくらいだった。そのモヤがどんどん近づいてきてとうとう夕方から店や自宅もすっぽりと霧に包まれた。マイナスイオンを浴びまくる感じ。夜ごみを出すために外に出たら遠くのほうの灯りが霧で滲んで空全体にオレンジ色が広がっていた。本当に細かいミストシャワーのなか時折ボタッと大きな雫が落ちてきた。霧の中、車のいない道路でハナグロがのんびりくつろいでいる。近づいてもまったくおびえずじっとこっちをみている。いきなり人間の言葉で話しかけられたとしても驚かないくらい半分夢の中のような幻想的なシーンだった。